モエンを鉄骨造C形鋼胴縁下地に金具留めした外壁の耐風圧性能の安全性について、動風圧試験および鉄骨下地に対するねじ引き抜き強度の確認。
動風圧試験によりモエン16mm厚品をC形鋼(C-100×50×20×2.3)にねじで金具施工した外壁の耐風圧性能を測定。
試験は(図1)の加圧プロセスに沿って静的載荷±2.12Kpaまで風圧力を加えていき、その後に静的載荷で試験体が破壊するまで負圧で風圧力を加えた。
試験体は6枚のモエンをC形鋼試験架台に取り付けた横張外壁(図2)で、サイディング留め付け方法により標準金具留め工法(図3)と金具・ねじ併用(ねじ補強)工法(図4)の2仕様とした。
(図1)加圧プロセス
(図2)試験体図
(図3)標準金具留め工法
(図4)金具・ねじ併用工法
各仕様の破壊時の風圧力を(表1)に示す。
標準金具留め工法、金具・ねじ併用工法とも正圧および負圧2.12Kpaではたわみも含め試験体に異常は認められず、除荷後の残留変形も僅かであった。
その後、負圧での昇圧中に標準金具留め工法は留付金具部の実部分で破壊し、金具・ねじ併用工法は留付金具部の実部分およびねじ補強部分で破壊した。
(表1)破壊時の風圧力
単位:Kpa
| 加圧段階\工法 | 標準金具留め工法 | 金具・ねじ・併用工法 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 風圧力 | 異常の有無 | 風圧力 | 異常の有無 | ||
| 正圧 | 0~2.12 | なし | 0~2.12 | なし | |
| 負圧 | 0~-2.12 | 0~-2.12 | |||
| 破壊時(負圧) | Ave. | -2.457 | 付金具部分の実部の破壊 | -3.240 | 留付金具部分の実部および、 ねじ補強部の破壊 |
| Min. | -2.360 | -3.240 | |||
表の数値はN=3の平均値および最低値を示し、安全率は考慮していません。
試験機関:(財)日本建築総合試験所
鉄骨下地鋼材厚さ別による負圧の風圧力に対する、留付け用ねじの引き抜き強度を測定。
鉄骨下地鋼材C形鋼1.6mm厚、2.3mm厚に対する留付け用ねじの保持力を(表2)に示す。
(表2)ねじの引き抜き強度
単位:N/本
| 胴縁の種類・板厚 | C形鋼1.6mm厚 | C形鋼2.3mm厚 | |
|---|---|---|---|
| 金具留付け用ねじ JK1140(4.0φ×19mm) |
Ave | 1979 | 3874 |
| 標準偏差SD | 189 | 379 | |
| サイディング留付け用ねじ JK1250(5.0φ×60mm) |
Ave | 2091 | 4568 |
| 標準偏差SD | 183 | 414 | |
表の数値はN=20の平均値および標準偏差SDを示し、安全率は考慮していません。
モエンを使用した鉄骨造下地の(1)モエン1時間耐火構造、(2)モエン30分耐火構造および(3)その他の構造(例)の遮音性能について、音響透過損失の確認。
鉄骨造にC形鋼の鉄骨胴緑を使用し、モエンエクセラードと断熱材、強化せっこうボード、またはせっこうボードを組み合わせた複合構造。
(図1)外壁の構成
JIS A 1416「実験室における建築部材の空気音遮断性能の測定方法」に準じて試験を行った。
モエン耐火構造などの音響透過損失を(表1)に示す。
(1)モエン1時間耐火構造は遮音等級Rr-40、(2)モエン30分耐火構造は遮音等級Rr-35、(3)その他の構造(例)は遮音等級Rr-40を上回る結果となった。
(表1)構造別の音響透過損失
単位:dB
| 中心周波数 (Hz) |
モエン1時間 耐火構造 |
モエン30分 耐火構造 |
その他の構造(例) |
|---|---|---|---|
| 100 | 30.5 | 24.9 | 21.4 |
| 125 | 34.7 | 32.1 | 27.5 |
| 160 | 32.6 | 29.7 | 28.8 |
| 200 | 34.0 | 29.7 | 33.5 |
| 250 | 38.9 | 32.7 | 37.2 |
| 315 | 43.1 | 36.6 | 39.6 |
| 400 | 47.7 | 42.4 | 43.6 |
| 500 | 49.1 | 45.4 | 44.8 |
| 630 | 52.4 | 48.3 | 49.2 |
| 800 | 54.9 | 50.3 | 51.3 |
| 1000 | 56.9 | 51.9 | 53.2 |
| 1250 | 58.7 | 54.1 | 54.7 |
| 1600 | 57.9 | 53.4 | 54.2 |
| 2000 | 53.6 | 49.5 | 51.0 |
| 2500 | 55.6 | 48.0 | 50.2 |
| 3150 | 59.7 | 51.3 | 48.9 |
| 4000 | 63.2 | 55.0 | 50.4 |
| 5000 | 66.6 | 60.7 | 55.9 |
| 遮音性能 | Rr-40 | Rr-35 | Rr-40 |
試験機関:(財)日本建築総合試験所
モエンの通気留付金具による耐震性能の安全性について、サイディングの胴縁への取り付けを金具による片辺固定方法で緩衝作用が働く構成として層間変形の追従性の確認。
「木造の耐力壁およびその倍率性能評価業務方法書」【(財)日本住宅・木造技術センター】に定めるタイロッド式面内せん断試験に準じて試験を行った。
層間変形角1/300rad、1/200rad、1/150rad、1/100rad、1/75rad、1/50radの各変形角においてサイディングの脱落、その他異常が無いか観察を行った。
試験体は幅2132mm高さ2730mmとし鉄骨胴縁下地、サイディングは通気留付金具により試験を行った。
(図1、表1)
(表1)サイディングの施工方法
| 施工法 | 留め付け方法 | サイディングサイズ(mm) |
|---|---|---|
| 横張り | 通気金具留め | 16×455×1820 |
(表2)各層間変形角の試験結果
| 層間変形角(rad) | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 1/300 | 1/200 | 1/150 | 1/100 | 1/75 | 1/50 |
| サイディングの脱落なし その他異常なし |
|||||
層間変形角1/50radまでサイディングの脱落およびその他異常は見られなかった。
この結果より、中地震時の層間変形角1/200rad以下を満足することができ、また、構造耐力上の観点から1/120rad以下という緩和措置が設けられている鉄骨構造においても同様の性能を満たしている。サイディングの通気金具工法は高い変形追従性能を有し、耐震性に優れているといえる。
(図1)試験体図
試験機関:(財)日本住宅・木材技術センター
モエンを使用した鉄骨造下地の(1)モエン1時間耐火構造、(2)モエン30分耐火構造および(3)その他の構造(例)の断熱性能について、熱貫流抵抗および熱貫流率の確認。
鉄骨造にC形鋼の鉄骨胴緑を使用し、モエンエクセラードと断熱材、強化せっこうボード、またはせっこうボードを組み合わせた複合構造。
(遮音性能(図1)の構成に同じ)
各材料の厚みおよび熱伝導率を用いて、下記の式から熱貫流抵抗および熱貫流率を求めた。
熱抵抗R=各材料の厚みd/各材料の熱伝導率λ
熱貫流抵抗Rt=熱伝達抵抗(室内側)Rsi+
Σ 熱抵抗Rn+熱伝達抵抗(室外側)Rso
熱貫流率K=1/熱貫流抵抗Rt
熱貫流抵抗Rtが高いほど、また熱貫流率Kが低いほど断熱性能は高くなる。
(表1)各材料の熱伝導率
| 使用材料 (mm) |
材料の厚みd (m) |
熱伝導率λ (W/m・K) |
熱抵抗R (m²・K/W) |
|---|---|---|---|
| モエンエクセラード (厚16) |
0.016 | 0.26 ※1 | 0.061 |
| 通気層(厚15) | 0.015 | - | 0.066 |
| せっこうボード (厚9.5) |
0.0095 | - | 0.043 |
| せっこうボード (厚12.5) |
0.0125 | - | 0.060 |
| 強化せっこうボード (厚12.5) |
0.0125 | - | 0.060 |
| 強化せっこうボード (厚15) |
0.015 | - | 0.069 |
| 通気層(厚25) | 0.025 | - | 0.075 |
| 断熱材 (グラスウール16K) 厚50 |
0.050 | 0.048 | 1.042 |
| 熱伝達抵抗 (室内側)Rsi |
- | - | 0.111 |
| 熱伝達抵抗 (室外側)Rso |
- | - | 0.043 |
※1 試験方法:JIS A 1412 試験機関:名古屋市工業研究所
<参考>JIS、建築設計資料集成(編:日本建築学会)、建築の結露(著:山田雅士)
(1)モエン1時間耐火構造、(2)モエン30分耐火構造および(3)その他の構造(例)の熱貫流抵抗と熱貫流率を(表2)に示す。
(表2)モエン外壁構造の熱貫流抵抗と熱貫流率
| (1)モエン 1時間 耐火構造 |
(2)モエン 30分 耐火構造 |
(3)その他の 構造(例) |
|
|---|---|---|---|
| 熱貫流抵抗Rt (m²・K/W) |
1.68 | 1.59 | 1.51 |
| 熱貫流率K (W/m²・K) |
0.60 | 0.63 | 0.66 |