ホウライ堀留ビル
ニチハ株式会社

Designer's Voice ~サイディングの可能性~

外壁改修にサイディングを採用し
メンテナンスの負担を軽減

Nichiha Designer's Voice vol.15

東京都 中央区 テナントビル(8階建て/ペントハウス除く)ホウライ堀留ビル

テナントビルの外壁改修にニチハMARCシステム(RC金属胴縁工法)をご採用いただいた施工例をご紹介します。

  • ホウライ株式会社
    理事 不動産事業本部長
    内田 和生 様
  • ホウライ株式会社
    不動産事業本部 業務部
    マネージャー
    成田 和彦 様
  • 室町ビルサービス株式会社
    建築事業部技術部 部長
    チームリーダー
    上野 正𣳾 様

外壁打診検査や外壁補修の頻度・負担の低減を目的にサイディングを採用

ニチハ

テナントビルの外壁改修に窯業系サイディングをご採用いただいた経緯からお聞かせいただけますか。

改修前のホウライ堀留ビル。

成田

ホウライ堀留ビルは築後40年経過しているビルです。改修前の外壁はRCのタイル仕上げでしたので10年おきに外壁打診検査および補修を行ってきましたが、足場を立てての検査および補修は費用的にも業務的にもかなりの負担でした。 今回はブランコによる打診検査を行った結果、タイルの剥離状態を確認したところ、補修の必要性が出てきたため、全面的な改修を行うことになりました。 改修するにあたって、今後は検査や補修が少なくて済むような外壁材はないかと考えまして、ビルのメンテナンスをお願いしている室町ビルサービスさんに相談したところ、ニチハさんのサイディングをご紹介いただきました。

内田

室町ビルサービスさんと一緒に2回ほどニチハさんのショールームに伺って、現物を見せていただきました。その後、実際にサンプルをお借りし太陽の下で見るなどして色味も確認し、これでいこうということで採用が決まりました。

上野

サイディングを使うのが初めてということもあり、心配だったのが耐風圧です。8階建規模、30~40mの高さで使用した例はあまり見たことがないので、ニチハさんに耐風圧の計算をしていただいたところ、 きちんと基準をクリアしていたので安心しました。

ニチハ

弊社のサイディングはこれまでも海外で30~40mの高さのビルでの採用実績が多々ありますし、国内でも実績が出始めておりますので、ご安心いただけるかと思います。

テナント様からも好評な自然で明るい印象のビルへ

ニチハ

施工時のメリットやデメリットについてはいかがでしょうか。

金属胴縁15の施工中。

内田

まずは短工期で済むというところにメリットを感じました。デメリットとしては、アンカーを打つ作業をする際に音と振動がしてしまうというところです。 避けられないことだとは思うのですが、アンカーを留める新しい方法などが出てきてこれらの課題を解決できると嬉しいです。

成田

あとは、施工高さ20m以下ごとにある施工上必要な緩衝目地が意外と目立つなと感じました。各階に目地を入れたほうがデザインとしてよかったのかもしれません。

ニチハ

ご意見ありがとうございます。今後に活かしてまいります。今回、モエンエクセラードを2種類ご使用いただきましたが、選定理由などを伺えますでしょうか。

軽快感のあるキューブ柄の「コシュカ」。ピースごとの微妙なニュアンスが表情豊かな外観を創り出す。 自然との調和がコンセプトの木目調サイディング「コートリーウッド」。素朴でアンティークな風合いが建物の雰囲気を引き立てる。

成田

デザイン的な面でいうと、自然で明るいイメージにしたいと思い、コシュカとコートリーウッドを選びました。結果的に、建物全体が明るい雰囲気になったのでよかったです。 建物の下の部分には、最初は天然木を使いたいと思っていたのですが、メンテナンス性やコスト、経年劣化の懸念などの面でコートリーウッドプレミアムを採用しました。

上野

ショールームでコートリーウッドを見せていただいたときに、リアルな木目が美しいなと思いました。意匠的な面からも自信をもって提案できました。

内田

仕上がりも綺麗で大満足です。テナント様からも「ビルが若返ったよう」というお声をいただき、好評でした。

成田

今回、木目調のサイディングを使用してみて、455mm×3000mmの定型サイズではないスモールサイズを組み合わせて張れるウッドタイルのようなサイディングがあったら 便利だなと感じました。

ニチハ

天然木を使いたいけれど使えないというケースは非常に多いので、本物に近い意匠のサイディングやサイズ展開などもこれからも追究してまいります。

色褪せや汚れに強いサイディングを他のビルにも活用したい

ニチハ

補修や打診検査の頻度・負担の低減以外に感じられているサイディングのメリットはありますでしょうか。

パッと明るいイメージへのビルへと生まれ変わった。

成田

採用したサイディングはプラチナコート30とマイクロガードが施されているため、色褪せや塗膜のひび割れに強く約30年間メンテナンス不要であり、防汚機能もあることが魅力的だと 感じました。サイディングは施工性の良さもメリットのひとつなのですが、やはり一番のメリットはタイル仕上げの場合の10年おきの打診検査をしなくて済むことです。 費用もかなり抑えられますので、今後もほかの物件でぜひ活用していきたいと考えています。

内田

ほかには、工事完了後に気づいたことがありまして、サイディングによる改修を行った壁面はエレベーターシャフトにも当たるのですが、エレベーターホールにはエアコンがないにも かかわらず暑い、寒いということがなく、サイディングの重ね張り工法による断熱効果を実感しました。

ニチハ

ありがとうございます。最後に、サイディングについてのご意見やご要望などはありますでしょうか。

太陽の光とコシュカの白さがなじみ、建物全体が明るい印象に。

成田

今回採用したコシュカやコートリーウッドの柄でも上下だけでなく左右もノンシーリング接合ができるようになれば、シーリング目地のメンテナンスが不要になるのではないかと思いました。

ニチハ

シーリング目地に比べて継ぎ目が目立ちにくい四方合いじゃくり工法を採用したFu-ge(フュージェ)やCOOL(クール)というシリーズではさまざまなデザインを ご用意しておりますが、バリエーションを増やして、皆様の期待に応えられるよう新たな意匠や工法等さまざまな展開を弊社内でも検討してまいりたいと思います。 本日はいろいろとお聞かせいただきありがとうございました。