開発者インタビュー「次世代インクジェットの力」

一言で言うと、次世代インクジェットとは、どのような技術なのでしょうか。

これまでの技術が『塗装』であれば、次世代インクジェットの技術は『印刷』と思っていただければわかりやすいのではないのでしょうか。一般に、印刷用のインクは耐候性が弱く、屋外に使用される外装材への転用は不可能とされていました。しかし、外装材に不可欠な耐候性を持たせた専用開発の特殊インクを用いて、印刷と同様に様々な色を表現するという手法で、表現の幅が広がりました。

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ニチハの外壁材は多色塗装による自然感が特長ですが、次世代インクジェットを使って印刷と同じ手法をとった場合、どのような商品ができるようになるのでしょうか。

次世代インクジェットは、細かい模様や絵柄を印刷出来るので、今までの塗装技術では表現することが難しかった『質感』や『多彩な表情』を持たせることが可能になりました。 従来 の多色塗装商品では、色や濃淡の塗り分けで自然感を表現していたものが、次世代インクジェットの技術を使えば、柄の1つ1つに様々な表情を持たせることができ、外壁材に自然な風合いが生まれます。 これにより、今まではどうしても同じテイストの繰り返しによる規則性が出てしまうことがありましたが、次世代インクジェットを使った商品は1枚1枚の板が違った表情を持つため、壁面となっても不自然な規則性が出ることなく、自然な仕上がりになります。

塗装技術の比較

ロール印刷の場合
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色調に規則性がでてしまう
orange_arrow-2.png 次世代インクジェットの場合
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自然の風合いをいかしたランダムな色調で表現できる

今まで以上に外壁の楽しみが広がりますね。

次世代インクジェットの技術は、これまで以上により多くのお客様の嗜好に合った商品ラインナップを提供することが出来るようになるという考え方から生まれました。自由な『発想』を『形』にすることができる技術。外壁デザインの選択肢が広がれば、住まいづくりはもっと楽しくなるかもしれません。

今後どのような展開をお考えですか。

今、世の中にある外壁材のデザインは各社から様々な種類の商品が『塗装』という範囲の中で作り出され、一つの完成型を迎えつつあります。次世代インクジェットにより、デザインに対する数々の制約から解放されることでラインナップの充実を図るだけでなく、外装材メーカーとして自らが築いてきた『既存の枠』にとらわれない全く新しい商品作りを進めていきます。

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