2025.01.16
【連載】家の外観を和風、和モダンに! 伝統的な「和」の要素を取り入れた落ち着きのある家づくり|カベのアイデア事典 第6回
家の外観は訪れる人が最初に目にする大事な部分です。建物の正面に位置するファサードは、特に家の印象を左右するため、デザイン選びが重要です。
「カベのアイデア事典」では、家の外観をおしゃれに魅せるアイデアを、様々なスタイルとともに紹介していきます。
第6回は「和モダンスタイル」です。畳や障子・格子・縁側といった純和風の要素を現代的なデザインと巧みに調和させることで、洗練された雰囲気の中にホッとする心地良さを生むのが「和モダンスタイル」の魅力です。
今回は、日本の伝統美をスタイリッシュに昇華させた和モダンな家の外観をつくるコツや施工事例をご紹介します。
カベのアイデア事典第5回「北欧スタイル」もぜひご確認ください。
⇒「【連載】家の外観を北欧スタイルに!三角屋根と木製サッシがおしゃれで断熱性にも優れた家|カベのアイデア事典 第5回」
建物の顔ともいえるファサードについての詳細は、下記記事もご参照ください。
⇒「ファサードとは?おしゃれな第一印象を演出する壁のデザイン」
和モダンスタイルの特徴
伝統的な和の要素を基調としたベースに、現代的なデザインを融合させたスタイルが特徴です。自然との調和を大切にした、住む人に心地良さを与える快適で美しい住まいを追求します。
・自然素材をとりいれる
和モダンスタイルは、古くから日本の住宅に用いられてきた木や石、漆喰・竹といった自然素材を多く取り入れることで、あたたかみや穏やかな雰囲気を演出します。経年による素材の変化を楽しむことができ、住むほどに増していく深みが住まい全体に独特の風合いを与えるのも魅力です。自然素材に包まれた家は快適性と伝統美を兼ね備え、住む人に心地良さを与えるだけでなく、環境にも優しい住空間を実現させます。
・シンプルな美しさ
装飾を最小限に抑えたシンプルなデザインも和モダンスタイルの特徴の一つです。日本独自の伝統的な要素を活かしながら、繊細で洗練された雰囲気を纏い、流行に左右されない普遍的な美しさを生み出します。このシンプルな味わいが多くの人の感性に響き、和モダンスタイルが長く愛され続ける理由となっています。
和モダンスタイルの外観をつくるポイント
和の伝統美と現代的なデザインが調和した和モダンスタイルの外観をつくるためには、屋根の形状や外壁の素材感に加えて屋外空間の演出をバランスよく組み合わせることが大切です。大事なポイントを押さえて情緒豊かな外観づくりを目指しましょう。
・屋根の形状
古くから日本の住宅で採用されている「切妻屋根」や4つの面を合わせた「寄棟屋根」、一方向に傾斜している「片流れ屋根」を取り入れましょう。それぞれの屋根は独特の美しさを持ち、伝統的な趣がありながら、現代的なデザインとも調和します。さらに複数の屋根を組み合わせると、よりオリジナリティのある外観がつくれます。
・素材・配色
ナチュラルであたたかみのある木材や木目調の建材を効果的に使い、シンプルなホワイトや落ち着きのある黒、ダークブラウン、ダークグレーといったモノトーンカラーと組み合わせましょう。ナチュラルな素材感を引き立てる配色にすることで、落ち着きと洗練された雰囲気が見事に調和した和モダンな外観が演出できます。
・屋外空間とのつながりを意識
外構に自然の要素を取り入れると家全体を和の雰囲気が包み込む魅力的な外観を演出できます。玄関まわりにモミジや竹など、日本の四季や趣が感じられる木々を植えたり、植栽スペースを配置したり、玄関までのアプローチを石畳にしたりしましょう。また、室内と屋外とのつながりを意識し、縁側やウッドデッキ、中庭などを採用することで開放感が生まれ、室内の心地良さが外観にあらわれる上質な住まいをつくれます。
・格子を取り入れる
外壁に木目調の格子を取り入れると、和の雰囲気が高まって重厚感が加わります。また、外構にも木目調の格子フェンスを配置すれば、目隠しや仕切りとして機能しながら、和モダンな外観のデザイン性をさらに引き立てることができます。格子の隙間から光や風を適度に通しつつ、外からの視線をさりげなく遮ることができ、軽やかでリズミカルな印象に。さらに、植栽と組み合わせることで全体が調和し、心地良い外観を演出できるでしょう。
和モダンスタイルを演出した住宅の施工例
和の風情と現代的なスタイリッシュさが融合した和モダンスタイルの外観を3つの実例で紹介します。
1.景観に溶け込む平屋の和モダン
美しい米ツガの軒天と木目調のアクセントウォール、塗り壁が美しく調和した和モダンの邸宅。車庫には柱を設けず、極めてシンプルなフォルムに仕上げることで、さりげなく和の趣を感じるスタイリッシュな外観に。
2.緩やかな大屋根で魅せる和モダンの住まい
どこまでも続く雄大な稜線を思わせる、緩やかな傾斜の大屋根を際立たせた、ダイナミックな和モダンの邸宅。全体を細長い小端積柄の外壁で統一し、アクセントに軒天や格子に木目調を取り入れ、上品で落ち着いた和の佇まいに。
3.「蔵」の趣を感じる和モダンな邸宅
伝統的な「蔵」の佇まいや重厚感を表現した邸宅。切妻屋根と片流れ屋根を組み合わせたデザインが外観に奥行きと深みを与えています。シックなチャコールカラーに包まれた木目調の外壁と、自然石の風合いが美しいホワイトの外壁を巧みに組み合わせ、色や素材のコントラストを際立たせています。さらに、木目のアルミ格子をアクセントとして取り入れ、和モダンな雰囲気を高めています。
まとめ
カベのアイデア事典 第6回目は「和モダンスタイル」をご紹介しました。長く住み続けることになるマイホームだからこそ、外観にもこだわりたいものです。おしゃれな家づくりに興味がある方はぜひ参考にしていただければ幸いです。
カベのアイデア事典第7回「南欧スタイル」もぜひご確認ください。
⇒「【連載】家の外観を南欧風のスタイルに! 明るい色合いとアイアンの妻飾りなどの装飾を生かした家づくり|カベのアイデア事典 第7回」