2025.03.06

【連載】家の外観を南欧風のスタイルに! 明るい色合いとアイアンの妻飾りなどの装飾を生かした家づくり|カベのアイデア事典 第7回

家の外観は訪れる人が最初に目にする大事な部分です。建物の正面に位置するファサードは、特に家の印象を左右するため、デザイン選びが重要です。
「カベのアイデア事典」では、家の外観をおしゃれに魅せるアイデアを、様々なスタイルとともに紹介していきます。

第7回は「南欧風スタイル」です。明るいカラーの外壁や屋根、レンガやテラコッタ調のタイル、アイアン製の装飾などを取り入れた、ナチュラルでぬくもりを感じる外観が特徴です。2026年にはミラノとコルティナで冬季五輪が開催されるため、南欧デザインへの注目が一層高まっています。
今回は、地中海の風景を切り取ったようなおしゃれな南欧風スタイルの外観を演出するコツと、施工事例をご紹介します。

カベのアイデア事典第6回「和風、和モダン」もぜひご確認ください。
⇒「【連載】家の外観を和風、和モダンに! 伝統的な「和」の要素を取り入れた落ち着きのある家づくり|カベのアイデア事典 第6回

建物の顔ともいえるファサードについての詳細は、下記記事もご参照ください。
⇒「ファサードとは?おしゃれな第一印象を演出する壁のデザイン

南欧風スタイルの特徴

南欧

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/175

南欧風スタイルは、スペインや南フランス・イタリア・ポルトガルといった地中海沿岸地域で見られる、伝統的な建築様式をベースにしたデザインです。長い歴史と温暖な気候によって育まれた明るい色づかいや、自然素材の風合いがもたらすナチュラルな雰囲気は、住む人にあたたかみや開放感をもたらしてくれます。

南欧風スタイルの外観・ファサードをつくるポイント

南欧風スタイルの住宅を実現するには、細部へのこだわりが欠かせません。軒や瓦、妻飾り、明るい色づかいなど、他のスタイルとは一味違うデザイン要素を取り入れることで、地中海の風を感じさせる、あたたかみあふれる外観に仕上がります。

・軒の出が少ない屋根
雨が少なく乾燥している南欧の気候では、深い軒を設ける必要がないため、屋根の軒は出さないようにするか、浅めに設定すると、シンプルで洗練された南欧風スタイルを表現できます。

・暖色系の洋瓦
スパニッシュ瓦やS瓦といった丸みを帯びた洋瓦は、南欧風スタイルの大きな特徴です。赤やオレンジ、茶色などの暖色系の素焼き瓦を選びましょう。瓦は1色で統一すると上品な印象に、同系色を2色使ってランダムに配置するとグラデーションのように美しく個性的な屋根を演出できます。

・明るいカラーの外壁

南欧

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/33

夏の気温が高い南欧では、室内の温度が上がらないよう、太陽の光を反射する明るい色が外壁に選ばれるそう。白やオフホワイト、淡いベージュ、淡いイエローなどを基調にすると、地中海沿岸の街並みを思わせる、明るく爽やかな雰囲気が広がります。

・妻飾り
家の正面(妻側の屋根の下)にワンポイントでアイアン製の妻飾りをつけると、南欧らしさが一段と引き立ち、建物全体の印象がワンランクアップします。南欧では家紋として妻飾りを使用する風習がありますが、日本では好みのデザインを選んで楽しむのがおすすめです。

・曲線デザイン
南欧風スタイルでは、玄関ポーチやバルコニーなどに曲線を取り入れるデザインがよく見られます。建物全体にやわらかさや優雅さをもたらすとともに、親しみやすい印象も与えます。さらに、アプローチや門壁などの外構にも曲線を取り入れると、全体に統一感が生まれ、動きのある美しい外観をつくれます。 

・上げ下げ窓・格子窓
窓のデザインも、南欧風スタイルをつくる大事なポイントです。伝統的な雰囲気づくりに欠かせないのが、上げ下げ窓や格子窓。上下階の窓の位置を合わせたりシンメトリーに配置したりするなど、規則性を持たせるとより美しく統一感のあるデザインに仕上がります。

・飾り戸

南欧

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/393

南欧風スタイルでは、窓周りによく飾り戸を設けます。鎧戸(よろいど)とも呼ばれますが、装飾的に用いれば南欧風のアクセントにもなり、個性豊かな外観を演出します。

・漆喰・塗り壁・テラコッタのアプローチ

南欧

南欧風スタイルを際立たせるには、漆喰や塗り壁、テラコッタ調のタイルを使ったアプローチや外観がおすすめです。素材が持つあたたかみのある風合いが家全体を包み込み、心地よさが広がります。オレンジ系の色を選ぶと屋根瓦と調和するので、南欧らしさが一層際立つでしょう。

・木製の玄関ドア

南欧

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/103

南欧風スタイルの住宅にアクセントを添えるのが、ぬくもりを感じる木製の玄関ドアです。ナチュラルなブラウン色は特に人気があり、外観にあたたかみと落ち着きをもたらします。

・フラワーボックス
ベランダや窓辺にフラワーボックスを設置すると、南欧風の外観に彩りと豊かさが加わります。季節ごとの花を植えれば四季の変化が楽しめるので、活き活きとした外観を演出できるでしょう。ガーデニングが趣味の方にとっては自分らしさを表現できる絶好のポイントになるので、ぜひ取り入れてみるのはいかがでしょうか。

南欧風スタイルの住宅の施工事例

明るくあたたかみのある南欧風スタイルの外観を3つご紹介します。

1.2種類のレンガ柄で見せる、愛らしい南欧風スタイル

南欧

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/393

2種類のレンガ柄を巧みに使い分け、シンメトリーにデザインした愛らしい南欧風の邸宅。アイアン製の妻飾りや飾り戸など、南欧テイストのディティールをふんだんに取り入れつつ、全体に統一感のある優雅で美しい外観に仕上げています。

2.オレンジカラーで元気いっぱい!明るい南欧風スタイルの家

南欧

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/562

外壁や屋根、アプローチにオレンジ色を取り入れて、明るく心地よい南欧風スタイルに。門柱のデザインや屋根の見せ方など細部にまで気を配り、バランスのとれた美しいファサードを生み出しています。

3.急勾配の屋根が圧巻!イルドフランススタイルの邸宅

南欧

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/609

急勾配の大屋根が美しい、イルドフランススタイルの邸宅。深みのあるレンガ柄や立体的な表情の石積柄を組み合わせ、クラシカルでありながら格調高い外観を生み出しています。重厚感と優雅さを兼ね備えた住まいは、日々の暮らしを豊かに彩ります。

まとめ

カベのアイデア事典 第7回目は「南欧スタイル」をご紹介しました。長く住み続けることになるマイホームだからこそ、外観にもこだわりたいものです。おしゃれな家づくりに興味がある方はぜひ参考にしていただければ幸いです。

カベのアイデア事典第8回「アーリーアメリカンスタイル」もぜひご確認ください。
⇒「【連載】家の外観をアーリーアメリカンスタイルに! 素朴で懐かしさを感じさせるデザインの家づくり|カベのアイデア事典 第8回

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