2025.03.17

【連載】家の外観をアーリーアメリカンスタイルに! 素朴で懐かしさを感じさせるデザインの家づくり|カベのアイデア事典 第8回

家の外観は訪れる人が最初に目にする大事な部分です。建物の正面に位置するファサードは、特に家の印象を左右するため、デザイン選びが重要です。
「カベのアイデア事典」では、家の外観をおしゃれに魅せるアイデアを、様々なスタイルとともに紹介していきます。

第8回は「アーリーアメリカンスタイル」です。古きよき時代のアメリカを彷彿とさせる、どこか懐かしくあたたかみのあるデザインが魅力。アメリカ映画にもたびたび登場し、今もなお多くの人々の憧れの的となっています。
今回は、美しいアーリーアメリカンスタイルの外観をつくるコツや施工事例をご紹介します。

カベのアイデア事典第7回「南欧スタイル」もぜひご確認ください。
⇒「【連載】家の外観を南欧風のスタイルに! 明るい色合いとアイアンの妻飾りなどの装飾を生かした家づくり|カベのアイデア事典 第7回

建物の顔ともいえるファサードについての詳細は、下記記事もご参照ください。
⇒「ファサードとは?おしゃれな第一印象を演出する壁のデザイン

アーリーアメリカンスタイルの特徴

アーリーアメリカンスタイルは、17〜18世紀にアメリカの東海岸で発展した建築様式です。コロニアル様式とも呼ばれ、西部開拓時代にイギリスからの入植者が持ち込んだ伝統的な建築様式が、アメリカの風土や生活様式に合わせて変化しながら独自のスタイルを築き上げました。どこか懐かしさがありながらも、時代を経ても古さを感じさせないデザインが多くの人に愛され、現代まで受け継がれてきました。

・ラップサイディング

アーリーアメリカン

アーリーアメリカンを象徴する外壁といえば、ナチュラルであたたかみのあるラップ調サイディング(下見板・鎧張り)です。横長の板を一枚ずつ重ねて張り付けていくことで生まれる、美しい水平ラインや陰影、立体感が魅力です。

・カバードポーチ

アーリーアメリカン

カバードポーチとは、屋根付きの玄関ポーチのこと。ウッドデッキやタイルで仕上げられるのが一般的で、アメリカ映画でもお馴染みのスタイルです。玄関先のポーチに置かれたベンチやソファに座り、家族とくつろいだり、恋人や友人と談笑したりするシーンを目にしたことがある方は多いでしょう。日差しや雨を避けられるため、天候に左右されずにくつろげます。自転車やサーフボードなど、アウトドア用品を置く場所としても活躍。さらに、家全体の印象を高めるアクセントにもなります。

・ダブルハングウィンドウ

アーリーアメリカン

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/176

上下にスライドして開閉する縦長の窓で、アーリーアメリカンスタイルに欠かせない要素の1つです。クラシカルな格子デザインや、窓の両側に鎧戸(ルーバーシャッター)を組み合わせることで、外観がぐんとおしゃれに。上下どちらの窓も開閉できるため、効率よく換気できるのもメリットです。

・切妻屋根
屋根の形状は、シンプルな切妻屋根(三角屋根)が主流です。ドーマー(小窓)を設置したタイプもあり、外観を愛らしく演出するとともに、屋根裏部屋に光や風を届ける役割を果たします。

アーリーアメリカンスタイルの外観をつくるポイント

あたたかみのあるアーリーアメリカンスタイルをつくるには、外壁の色や素材、ポーチや窓のデザインなど、いくつか重要なポイントがあります。

・明るい色づかいのラップサイディング

アーリーアメリカン

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/713

アーリーアメリカンスタイルの外観づくりで欠かせないのが、ラップサイディング、またはラップ調のサイディングです。あたたかみのある雰囲気を演出するためには、色選びが鍵となります。すっきりと清々しいホワイト、明るいイエロー、ナチュラルで落ち着いたベージュ、爽やかなライトブルー、景観と調和するライトグリーンがおすすめです。落ち着いた印象や洗練された雰囲気を求めるなら、シックなグレーも素敵です。

・玄関まわりをゆったりと演出

アーリーアメリカン

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/657

玄関まわりには、深い軒やウッドデッキ、テラスを設けましょう。特にカバードポーチを取り入れるとゆったりとした空間が生まれ、アーリーアメリカンスタイルの雰囲気が一気に高まります。また、Y字型の柱や木調のフェンス、ドアの取っ手にアイアン素材を採用すると、アーリーアメリカンスタイルの魅力がより際立つでしょう。細部にまでこだわることで、まるで映画のワンシーンのような素敵な玄関まわりを演出できます。

・ナチュラルな素材感を取り入れる
アーリーアメリカンスタイルの魅力は、ナチュラルでホッとするような素朴な素材感にあります。よく見られるのは、木目の質感を持つラップサイディングで全体を統一したスタイルです。さらに、重厚感のある石柄の外壁を組み合わせると、上質なアーリーアメリカンスタイルの外観に仕上がります。

・上げ下げ窓・格子窓
クラシカルで伝統的な雰囲気を高めるには、ダブルハングウィンドウ(上げ下げ窓)や格子窓が効果的です。さらに、窓枠に外壁と異なる色を取り入れてアクセントにするのもポイントです。カラーコーディネートを楽しめて、自分らしい個性もプラスできるでしょう。

アーリーアメリカンスタイルを演出した住宅の施工例

ナチュラルで心地よいアーリーアメリカンスタイルの外観を、3つの実例とともに紹介します。

1.古きよきアメリカの空気感を纏うアーリーアメリカンスタイル

アーリーアメリカン

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/713

明るい色合いのよろい木目柄の外壁にカラフルな窓枠を組み合わせた、おしゃれなアーリーアメリカンスタイルの住宅。玄関まわりにはカバードポーチ風のデザインを取り入れ、Y字の柱をアクセントに。さらに、インナーバルコニーを設けて外観に立体感や奥行き感をプラス。クラシカルであたたかみのある雰囲気に仕上げました。

2.シンプルで上品なアーリーアメリカンスタイル

アーリーアメリカン

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/657

優しいベージュのよろい木目柄の外壁に、カバードポーチ風の玄関ポーチを設けたシンプルなアーリーアメリカンスタイル。窓枠には穏やかな色合いのブルーグレーを採用し、上品で落ち着いた印象に。玄関まわりに配置した白いウッドフェンスも、アメリカらしい雰囲気をいっそう引き立てています。

3.異素材が織りなす風格あるアーリーアメリカンスタイル

アーリーアメリカン

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/563

手割りした板をイメージしたウッドシェイクやレンガを組み合わせ、重厚感とあたたかみを兼ね備えた上質感あふれる外観に仕上げました。さらに、クラシカルな雰囲気を引き立てる格子窓を採用し、歴史を感じさせる落ち着いた佇まいを演出。年月を経ても色褪せることなく、住むほどに味わいが深まる住まいです。

まとめ

カベのアイデア事典 第8回目は「アーリーアメリカンスタイル」をご紹介しました。長く住み続けることになるマイホームだからこそ、外観にもこだわりたいものです。おしゃれな家づくりに興味がある方はぜひ参考にしていただければ幸いです。

カベのアイデア事典第9回「シンプルモダン」もぜひご確認ください。
⇒「【連載】家の外観をシンプルモダンに! おしゃれで飽きのこない洗練された家づくり|カベのアイデア事典 第9回

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