2026.04.30

棟札とは? 書き方や取り付け方 家族の思い出に残る手形式もおすすめ

棟札(むなふだ)は建物の上棟時に高所に取り付ける札で、建築の安全を祈るとともに、上棟日や関わった人の名前を記録するものです。しかし最近では、上棟式を簡略化して棟札の設置のみを行うケースや、上棟式をするしないにかかわらず「手形式」を取り入れて家族の手形を残し、家づくりの思い出を形にするという方も増えています。本記事では棟札の意味や書き方、取り付け方、さらに家族の記念となる手形式の魅力についてご紹介します。

棟札とは

棟札

棟札(読み方:むなふだ)とは、上棟の際に建物の棟木などに取り付ける木の札のことを指します。施工日や施主名などが記されており、家の完成後も残り続けるので建物の“履歴書”のような役割を持ちます。

古くは建物の魔除けや守護の意味も込められていましたが、最近では伝統的な形式に加えて、家族の手形やメッセージを残すなど、記念性を重視した棟札も増えています。

棟札の目的・役割

●建築の安全祈願

棟札には、工事の無事や職人の安全、建物が長く安心して使われることへの願いが込められます。上棟のタイミングで取り付けるため工事の節目としての意味を持ち、古くから魔除けや災いを遠ざけるものとして扱われてきました。

●竣工の記録

棟札には建物の由来や履歴を後世に伝える役割があり、施工日や施主名、施工会社名などが記されます。「いつ、誰が建てた家か」を明確に残すことで、将来的なリフォームや修繕の際にも参考にできます。

棟札の書き方

棟札は、棟梁など工事関係者や神職が書くことが伝統とされていました。しかし近年では、昔ながらの風習にとらわれずに記念行事として取り入れるケースもあり、家族で思い思いの内容を記載した手作りの棟札を用意することも増えているようです。棟札に記載する内容について解説します。

●御祭神名

建物を守る神様の名前を記します。工事の安全や家の繁栄を祈る意味があり、棟札の最上部に書くのが一般的です。

【御祭神の一例】
産土大神(うぶすなのおおみかみ)・土産神(うぶすながみ):地域を守る神様
屋船久久遅命(やふねくくちのみこと):家屋を守る神様
屋船豊宇気姫命(やふねとようけひめのみこと):家屋を守る神様
手置帆負命(たおきほおいのみこと):工匠を守る神様
彦狭知命(ひこさしりのみこと):工匠を守る神様

●日付(上棟日など)

建物の骨組みが完成した上棟日などの日付を記載します。工事の大きな節目となる日であり、記録として残す重要な情報です。
特定の日ではなく「令和〇年〇月吉日」のように記載することも多くあります

●施主名

家を建てた施主(依頼主)の名前を記します。誰の住まいであるかを明確に残す役割があります。

●施工会社名

工事を担当した施工会社の名称を書きます。建物の履歴として、将来のメンテナンス時に役立ちます。

●大工・棟梁・設計者の名前

実際に建築に携わった大工や棟梁、設計者の名前を記載します。家づくりにかかわった人々の名を記録として残せます。

棟札の取り付け方

ここでは、伝統的な棟札の取り付け方の一例について解説します。

●取り付ける方角は南・東向き

棟札は、南向きまたは東向きに取り付けるのが良いとされています。これは神棚と同じ考え方で、日当たりがよく神様にとって清浄で明るい方向が望ましいとされていることが理由です。地域や施工会社によって多少の違いはありますが、この方角が基本とされています。

●上棟式で祀る

棟札は、建物の骨組みが完成する上棟式のタイミングで取り付けるのが一般的です。棟札の取り付けを、工事の節目にあわせた儀式の一環として行うケースでは、職人や関係者で安全を祈願し、その場で棟木などに取り付けます。

●取り付けの最後に棟木を3回叩く

取り付けの際には、木槌で棟木を3回叩く風習があります。3回という回数には、長寿や繁栄を重ねて願う意味が込められています。

「千歳棟(せんざいとう)」「万歳棟(ばんざいとう)」「永永棟(えいえいとう)」と唱え、それぞれ3回ずつ棟木を叩き締めくくることで、建物と施主一家の繁栄を願うのが一般的です。

こうした風習は、地域によってもさまざまですので、伝統的な風習に沿って行いたい場合は、早めに施工担当者に相談しましょう。

上棟式など家づくりに関しての詳細は、下記記事をご覧ください。
⇒「三隣亡とは? 地鎮祭など建築関連の行事には不向きな日? 意味や由来、やってはいけないことは?
⇒「竣工式とは? 住宅の完成をお祝いする場におけるマナーと服装 引き出物はどのようなものが良い?
⇒「上棟式・棟上げとは何をするもの? 建前とたちまいとは? 大工さんへのお礼としてご祝儀や手土産は必要?

棟札以外にも「手形式」がおすすめ

上棟式 手形式

伝統的な棟札を設置しない場合でも、「手形式」を取り入れるご家庭も多くなっています。ここでは、その概要やメリットについて解説します。

●手形式とは

手形式とは、上棟時や建築の節目に、手形や足形、名前、日付、メッセージなどを残す記念イベントのことです。
上棟式を行わずに「手形式」を選ぶ方、簡略化した上棟式を行い、家族全員の手形を押した板を棟札として設置する方など、実施スタイルはさまざまですが、いずれも家族の思い出となる形式として話題になっています。

棟木や梁(はり)、柱などに手形を押した板を取り付けたり、完成時には隠れる場所に直接手形を押したり、文字を書いたりと、記憶に残る工夫がされています。
伝統的な棟札のように建物の記録を残す役割を持ちながら、より自由度が高く、家族参加型で行えるのが特徴です。

●手形式のメリット

手形式での棟札は、お子さまの成長の証としても残せるのが大きな魅力です。当時の手の大きさや書いたメッセージが、そのまま家づくりの思い出になります。

またペットの足形を押すなど、家族全員で参加できるため、特別なイベントとして心に残りやすいのもメリットです。形式に縛られず、世界にひとつだけの記録を残せる方法として人気が高まっています。

まとめ

棟札は、建築の安全祈願と記録保存の両方の役割を持つ伝統的な存在です。上棟式で取り付け、施工日や関係者の名前を記すことで、建物の履歴を後世に残せます。
また近年では、手形式のように家族の思い出を形に残す方法も人気です。住まいへの想いを込める機会を、ぜひ大切にしてみてはいかがでしょうか。

家づくりに関しての詳細は、下記記事をご覧ください。
⇒「家を建てるまでの流れが知りたい! 年収や頭金はどれぐらい必要? 注文住宅の基礎知識
⇒「注文住宅は着工後にほったらかしはダメ? 現場での立ち居振る舞い、各種手続きなど着工から完成までにやること

記事を読んだらクイズに挑戦!

棟札は、その建物がいつ、誰によって建てられたかを記録しておく役割がある。

正解!

残念...正解は◯でした。

棟札には、上棟日・施主名・施工会社名・大工や棟梁、設計者の名前を記して、棟木などの小屋裏に取り付けます。日本に現存する最古の棟札は、岩手県の中尊寺のものと言われておりますが、文字が不明瞭で読み取れないそうです。

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