
2026.09.29
竣工式とは? 住宅完成のお祝いの場におけるマナーと服装 竣工図や竣工検査も知っておこう
マイホームが無事に完成したことを祝い、関係者に感謝を伝える「竣工式(しゅんこうしき)」。竣工式は古くから続く日本の伝統的な儀式であり、今でも多くの地域で行われています。しかし初めて家を建てる方にとっては「どのようなことをするの?」「どんな服装で参加すればいい?」「引き出物は必要?」など、分からないことも多いでしょう。
本記事では竣工式の意味や流れ、基本的なマナーを分かりやすく解説します。あわせて、竣工式前に行われる「竣工検査」や「竣工図」「竣工図書」についてもご紹介します。安心して家を受け取りたい、関係者に感謝を伝えて家づくりを締めくくりたいと考える施主さまは、ぜひ参考にしてください。
注文住宅を建てるまでの流れに関する詳細は、下記記事をご覧ください。
⇒「家を建てるまでの流れが知りたい! 年収や頭金はどれぐらい必要? 注文住宅の基礎知識」
竣工式とは? 基本的な流れ

竣工式は建設工事が完了したタイミングで、建物が無事に完成したことを祝う儀式です。設計者・工事関係者などに感謝を伝える場であるとともに、これから安全・安心に暮らせることを願う場でもあります。
なお家づくりでは、竣工式のほかに、工事の着手前にその土地の神様にお祈りをする「地鎮祭」、建物の構造躯体が無事に完成したことを祝う「上棟式」があり、まとめて「建築三大祭式」と呼ばれます。
ただ戸建て住宅など小規模な建築では、施主および建設会社の負担を考慮して、これらの祭式が略式で行われたり、省略されたりするケースも増えています。開催の有無は基本的に施主の意向で決められるので、家族の意見や地域の風習を参考にしながら検討しましょう。
建築の三大祭式が気になる方は下記の記事を併せてご覧ください。
⇒「家づくりの際に行う地鎮祭とはどういうもの? 服装や初穂料など事前に知っておくべきこと」
⇒「上棟式・棟上げとは何をするもの? 大工さんへのお礼としてご祝儀や手土産は必要?」
●竣工式の流れ
竣工式はどのように行われるのでしょうか。神主を招いて実施する、関係者のみで簡略的に行う、それぞれのパターンをご紹介します。
◆神主を招いて実施する竣工式(費用:10万円程度)
伝統的な竣工式では、神主を招いて一連の儀式を執り行います。現在でも、大規模な建築になると神主を招くケースが少なくありません。以下に一般的な流れをご紹介しますが、神主による儀式には地域に伝わる独自の風習が反映されることも多いため、あらかじめ神社に確認しておきましょう。
・手水の儀(ちょうずのぎ) :参列者が手を清めます
・修祓(しゅばつ) :神主が祓い清めます
・降神の儀(こうしんのぎ) :神様をお迎えします
・献饌(けんせん) :神様に神饌を献上します
・祝詞奏上(のりとそうじょう) :神主が神様に祝詞を読み上げます
・清祓の儀(きよはらいのぎ) :土地を祓い清めます
・玉串奉奠(たまぐしほうてん) :玉串を神様に奉り拝礼します
・撤饌(てっせん) :神饌をお下げします
・昇神の儀(しょうしんのぎ) :神様をお帰しします
・神酒拝戴(しんしゅはいたい) :御神酒をいただきます
◆儀式を行わない簡略的な竣工式(費用:簡略の度合いや参加人数による。)
近年、戸建て住宅をはじめとした小規模な建築では、宗教色をなくした簡略的な竣工式が増えています。主な内容は、紅白のテープカット、鍵の引き渡し、関係者の挨拶、建物内の最終確認・設備説明、記念撮影などです。完成した家もしくは別の会場に関係者を招き、感謝を伝えるために食事や軽食を振る舞う施主さんもおられます。
なお、竣工式のやり方は地域や建設会社によって異なるため、本記事の内容はあくまでも参考程度とし、詳しくは建設会社などにお問い合せください。建設会社に依頼すると準備・進行を引き受けてくれる場合も多いので、早いタイミングで相談することをおすすめします。
服装や引き出物は?竣工式の基本的なマナー

竣工式には細かく決められているルールはありませんが、基本的なマナーを押さえておくことで、みんなが気持ちよく参列することができます。
●竣工式での服装
竣工式の服装はフォーマルが基本。男性はジャケットにネクタイ、女性は上品なワンピースやビジネススーツにブラウス、子どもは学校の制服などが一般的です。とはいえ、最近は施主がカジュアルな服装で参列するケースも増えています。その場合でも清潔感のある服装を心がけ、関係者に対して失礼のないようにしましょう。
●竣工式での挨拶
竣工式では、通常、家づくりの主役である施主の挨拶があります。設計者や工事関係者の前で挨拶をするのは緊張するかもしれませんが、大切なのは感謝の気持ちを伝えることです。丁寧な言葉遣いで家づくりに関わった人たちへの感謝と敬意を伝え、新しい暮らしに向けた明るい気持ちを共有しましょう。設計者や工事関係者にとって、施主が建物の完成を喜ぶ姿は何よりのモチベーションになります。

竣工式で、関係者や参加者に渡すお礼金や引き出物を用意する場合、相場は以下のようになります。気を遣わせない程度にとどめたうえで、参加人数を事前に把握して準備しましょう。
・お礼金 :1人当たり5,000円程度
・ノベルティ:実用的な物、1,000〜2,000円程度
(タオル、ステンレスボトル、ボールペン、ノートなど)
ただし、コンプライアンス(社内規定)の観点から、金品の受け取りを辞退する会社もありますし、地域密着型の工務店なら地元の風習に合わせた方が良い場合もあります。事前によく確認しておくことをおすすめします。
竣工式とあわせて知っておきたい「竣工検査」
家づくりの最終段階に登場するのは竣工式だけではありません。同じく「竣工」と名が付くものの、竣工式より数週間前に行われる「竣工検査」についても理解しておきましょう。
●竣工検査とは
「竣工検査」は、設計図書のとおりに施工されているか、不具合や未施工の箇所がないかを建物の完成時に確認する検査です。竣工検査で問題がなければ引き渡しとなり、竣工式はこの引き渡しの前後に行われるのが一般的です。
戸建て住宅では、主に次の3つの検査が行われます。
◆完了検査(法令上の検査)
建築基準法に基づき、建築主事または指定確認検査機関が行う検査です。建築確認を受けた内容どおりに建物が建てられているかを確認し、合格すると「検査済証」が交付されます。検査済証は建物が適法に建てられたことの証明であり、後述する竣工図書の中でも特に重要な書類です。
◆施工会社の社内検査
施工会社が自主的に行う検査です。仕上がりの品質や設備の動作などを、社内の基準に基づいてチェックします。
◆施主検査(施主立会い検査)
施主が現地に立ち会い、施工会社の担当者と一緒に仕上がりを確認する検査です。「竣工立会い」「完成内覧会」などと呼ばれることもあります。図面どおりに仕上がっているか、床・壁・建具に傷や汚れがないか、ドアや窓の開閉に問題がないか、給湯器・換気設備・コンセント・照明などが正常に動作するか、外壁のシーリングや屋根まわりの仕上がりに不具合がないか、といった点を確認します。気になる箇所があれば写真を撮って記録し、リストにまとめて施工会社に伝えましょう。指摘箇所が修正されたら引き渡しを受けます。
竣工検査については下記の記事もご参照ください。
⇒「注文住宅がついに竣工! 知っておきたい、竣工検査で施主が行うべきチェックポイントは?」
もらえるのはいつ?「竣工図」「竣工図書」とは

家が完成した時に作成される書類が「竣工図」や「竣工図書」です。これらの書類にはどんな違いがあり、どんなことが書かれているのでしょうか。手元に届くのはいつ頃?「家のカルテ」とも呼ばれる大切な書類についてまとめます。
●竣工図(しゅんこうず)とは
「竣工図」は、工事が完了した時点の建物の状態を正確に反映した図面です。着工前に作成する「設計図」とは異なり、工事中に行われた設計変更や現場での寸法調整などがすべて反映されています。「完成図」と呼ばれることもあります。
竣工図は、配置図・平面図・立面図・断面図などの意匠図に加え、構造図、電気配線図や給排水設備図といった設備図で構成されるのが一般的です。壁の中や床下など、完成後には見えなくなる部分の配線・配管・構造材の位置が分かるため、将来リフォームや増改築をするときや、設備の不具合でメンテナンスが必要になったとき、家を売却するときなどに欠かせない資料となります。
なお、戸建て住宅では竣工図を作成しない施工会社もあります。契約の段階で、竣工図を作成して引き渡してもらえるかを確認しておくと安心です。
●竣工図書(しゅんこうとしょ)とは
「竣工図書」は、前述の竣工図を含め、建物の完成時に施主へ引き渡される書類一式の総称です。施工会社によっては「引き渡し書類」「完成図書」などと呼ばれることもあります。
竣工図書には、主に以下のような書類が含まれます。
・竣工図
・建築確認申請書(副本)、確認済証、検査済証
・工事監理報告書
・各種保証書(住宅瑕疵担保責任保険の保険付保証明書、施工会社の保証書、設備機器・防水・シロアリ防除などの保証書)
・設備機器の取扱説明書
・仕様書・仕上表
・施工写真(基礎の配筋、構造躯体、断熱材など、完成後に見えなくなる部分の記録)
・地盤調査報告書
・住宅性能評価書、長期優良住宅の認定通知書(取得している場合)
「竣工図書」は、家を長く安心して維持していくための「家のカルテ」ともいえるもの。売却時の買主への説明、リフォーム時の設計、住宅ローンの借り換えなど、さまざまな場面で提出を求められる大切な書類です。引き渡し時に一式が揃っているかを確認し、まとめて大切に保管しましょう。
とくに、「検査済証」は原則として再発行されません。紛失した場合は、自治体で「台帳記載事項証明書」を取得し、検査済証が交付された事実を証明するという方法がありますが、かなりの手間がかかります。紛失しないように注意が必要です。
おわりに
竣工検査で建物の仕上がりをしっかり確認し、竣工図・竣工図書を受け取って大切に保管することは、家づくりの最終チェックとしてとても重要です。
そして竣工式は建物の完成を祝い、関係者に感謝を伝える締めくくりのイベントとなります。もちろん開催の有無は施主の意向で決められますので、負担に感じるなら開催しない、あるいは簡略的なやり方も検討できます。
竣工式をどうするかに関わりなく、基本的なマナーや関係者への気遣いを意識しつつ、理想の家をつくりあげてくださった方々に、心からの「ありがとう」を伝える機会を持ちたいですね。この一言が、設計者・工事関係者にとって次の家づくりへの大きなモチベーションになることは間違いありません。
家づくりに関係する土用期間について下記の記事もぜひご覧ください。
⇒「土用の丑の日はいつ? 土用の期間中に家づくりで「してはいけないこと」とは」








