
2026.09.29
カーボンニュートラルに貢献する外壁材の選択!カーボンオフセットとの違いやLCCO2を解説
目次
地球温暖化対策を語るうえで、「カーボンニュートラル」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
しかし、家づくりにおいてはどんな取り組みがCO2削減につながるのか、ピンとこないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、カーボンニュートラルとの関係を、混同されやすい「カーボンオフセット」との違いから解説します。また住宅の一生を通じたCO2を評価するライフサイクルCO2(LCCO2)」についてご紹介します。さらに、木を使うことがなぜ環境に良いのか(炭素貯蔵)、あわせて、ニチハの外壁材「オフセットサイディング」がどのようにカーボンニュートラルに貢献するのかを分かりやすく説明します。
カーボンニュートラルとは? カーボンオフセットとの違い

「カーボンニュートラル」とは、温室効果ガス(GHG)、主にCO2の排出量と、森林などによる吸収、除去量のバランスを取り、実質的な排出量をゼロに近づける考え方です。地球温暖化が進んでいる現在、この取り組みは世界各国で加速しています。
●カーボンオフセットとの違い
カーボンオフセットとは自らの温室効果ガス排出量をできるだけ削減したうえで、それでも削減しきれない排出量を、他の場所で行われた排出削減・吸収量(クレジット)などによって埋め合わせる考え方です。
カーボンニュートラル=目指す状態、カーボンオフセット=排出量を埋め合わせる方法のひとつと考えると分かりやすいでしょう。相殺する手段としては、植林、森林保全、再生可能エネルギー事業などによるCO2の削減量・吸収量(クレジット)購入などがあり、日本では、国が認証する「J-クレジット制度」が代表的な仕組みとして知られています。
まずは排出量を減らす努力をして、それでも出てしまった分はオフセットで帳消しに、というわけです。つまりカーボンオフセットは、カーボンニュートラルという目標を実現するための方法のひとつと言えるでしょう。
なお、カーボンニュートラルへの貢献方法はオフセットだけではありません。後述するニチハの「オフセットサイディング」のように、木材チップの炭素貯蔵により、製品そのものにCO2を固定化するアプローチもあります。
カーボンニュートラルへの貢献は建てる前から
カーボンニュートラルの取り組みは、住宅分野にも大きな影響を与えています。
これまでの家づくりでは、環境への影響を考えて行うことといえば、省エネ性能の高い設備や太陽光発電システムなどを導入する、などの方法が中心でした。
確かに、生活のために使う電気やガスの使用量を減らすことは、比較的わかりやすい地球温暖化対策です。しかし、住宅からCO2が排出されるのは、人が住み始めてからではありません。建材の製造、輸送、施工、改修、解体・廃棄など、家を建てる前から壊すまでのさまざまな段階でCO2が発生します。そのため現在では、「どんな材料を使って家をつくるか」という点も注目されるようになりました。
詳しくは後述しますが、たとえば木材を活用した建材を選べば、木が吸収したCO2を製品内に「固定化」し、大気への放出を防ぐことができます。さらに、こうして木材を利用することは森林の育成を促し、新たなCO2の「吸収」にもつながり、「カーボンニュートラル」への貢献ともなります。家づくりにおける選択の積み重ねは、未来の環境を左右することにつながるのです。
家の一生で考える「ライフサイクルCO2」

このように、家を建てる前から、廃棄・リサイクルまでを「家の一生」と考え、その全段階を通じたCO2排出量の評価を「ライフサイクルCO2(LCCO2)」と呼びます。
●ライフサイクルCO2とは
まず建物に関わるCO2は、大きく2つに分けられます。ひとつは冷暖房や給湯など、住み始めてからの「使う段階」で排出されるCO2「オペレーショナル カーボン」です。もうひとつは、建材の製造・輸送・施工〜将来の改修・解体・廃棄までの「つくる・壊す段階」で排出されるCO2「エンボディド カーボン」です。そして、この2つを合計したものが「ライフサイクルCO2(ライフサイクル カーボン)」です。
従来の住宅での省エネ対策は、主に「使う段階」のCO2削減にフォーカスしていました。しかし住宅の断熱・省エネ性能が向上するにつれ、相対的に「つくる段階」のCO2の割合が大きくなり、建材選びを含めたライフサイクル全体での削減が重要視されるようになったのです。
国土交通省も産官学の連携により、建物のライフサイクルCO2を算定するツール「J-CAT」を2024年に公開。さらに戸建住宅向けの算定ツールも試行版を公開するなど、「建てるときのCO2」を見える化する取り組みを加速させています。こうした流れの中で、カーボンニュートラルに積極的に取り組む企業、住宅メーカーや建材メーカーが、ライフサイクルCO2を考えるようになったのは必然と言えるでしょう。
木の力でCO2を閉じ込める「炭素貯蔵」の重要性

製造時のCO2排出が少ない建材を選べば、「ライフサイクルCO2」削減に大きく貢献できるでしょう。実は、その建材こそが「木材」です。なぜ木材を使うことが、CO2排出量削減に役立つのでしょうか。
●炭素貯蔵の一例:木造住宅の選択
木は生長する過程で大気中のCO2を吸収し、「炭素」として貯蔵します。この吸収されたCO2は消えてなくなることなく、木材の中に「炭素」として残り続けます。もし木が伐採されたあと、すぐに燃やされたり短期間で廃棄されたりすると、取り込まれている炭素は、再びCO2として放出される可能性があります。
しかし家の柱や下地などに部材として使われ、長期間維持されれば、その間は炭素を建物内に貯蔵しておくことができます。これが「炭素貯蔵」という考え方です。
さらに木造住宅では、鉄筋コンクリート造などに比べると、建築時のCO2排出量は抑えられています。また木材の断熱性や比強度(質量に対する強度の指標で、軽くて強いという性質)も、コンクリートより優れています。ですから木材を使った家を長持ちさせることは、CO2排出量を削減し、地球温暖化対策に貢献することになるのです。
●木材の炭素貯蔵量は国のガイドラインで「見える化」できる
木材の炭素貯蔵の仕組みは、国も注目しています。林野庁は、2021年10月に「建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の表示に関するガイドライン」を策定しました。そのなかで、建築物への木材利用は「都市等における第2の森林づくり」と位置づけられ、木材の利用促進が2050年カーボンニュートラルの実現に貢献するとされています。
林野庁のウェブサイトでは、建物に使った木材がどれだけの炭素を貯蔵しているか、一定の仮定のもと、計算・表示することができます。木材の使用量を入力すると炭素貯蔵量(CO2換算)が自動で算出される計算シートが用意されており、算出された炭素貯蔵量(CO2換算)は、スギ人工林の面積や一世帯あたりのCO2排出量などと比較することもできます。
張るだけで環境貢献(※)できる「オフセットサイディング」
家の柱や下地などだけでなく、「外壁材」のなかにも環境への配慮を前提に開発された製品があります。
ニチハの「オフセットサイディング」は、外壁に必要な性能を備えながら、木材由来の炭素を製品内に貯蔵することで、環境への貢献を目指した外壁材です。「オフセットサイディング」は、原料に国産木材の端材からつくられたチップを使用し、それを独自の技術でセメントと混ぜ合わせ、乾式でプレス成型して製造されています。雨風や紫外線を受け続ける外壁に必要な強さや耐久性を備えているのはもちろん、「環境への配慮」もカタチにしました。

木材チップが原料に含まれているので、前述の「炭素貯蔵」、つまり木が吸収したCO2を、製品が使われている間、内部に固定化(閉じ込める)し、大気中に放出されるのを防ぎます。木が取り込んだCO2を、家の外壁材の中にしまっておくようなもの、と言えるでしょう。そしてこの製品が外壁として長く使われれば使われるほど、CO2が製品内にとどまる期間は長くなり、その間の大気中のCO2増加の抑制に寄与します。

オフセットサイディング(モエンエクセラード16)を使用した場合のCO2固定量
もちろん外壁材を見直すだけで、住宅のカーボンニュートラルが達成できるわけではありません。省エネ性能の向上や再生可能エネルギーの活用と組み合わせながら、家づくり全体のCO2削減に貢献する選択肢のひとつとして位置づけることが大切です。
※この「炭素貯蔵」の効果は製品が使用されている期間に限られます。製品が廃棄された時点でCO2排出量を計上するため、固定化の効果は永久に持続するものではありません。
●オフセットサイディングの多彩なデザイン性どんなに環境に配慮した建材でも、デザイン面で妥協しなければならない製品であれば使うのを躊躇してしまいますよね。せっかくのマイホーム、見た目への影響も大切です。
ニチハの「オフセットサイディング」は、理想の外観デザインを妥協することなく、環境への配慮も同時に叶えられるのが大きな強みです。木目意匠の「キャスティングウッド」、鏡面仕上げの「ミライア」、高級感のある石調「ミラベルストーン調プレミアム」など、バリエーション豊かなデザインが揃っています。環境への配慮に加え、ナチュラル、モダン、ラグジュアリーなど、お好みのテイストに合わせた外壁を自在に選べることは、家づくりを楽しむうえで大きなメリットとなるでしょう。
まとめ

家づくりにおける環境対策は、省エネ性能の向上や太陽光発電などの再生可能エネルギーシステムの採用だけで達成できるものではありません。「どんな材料を選ぶか」次第で、家の一生を通してCO2排出を抑えることができるのです。
外壁選びでも、これまでは「汚れにくいか」「長持ちするか」「好みのデザインか」といった要素が主な判断基準でした。しかし今後はそこに「環境への貢献」という新しい軸が加わりつつあります。
本記事でご紹介したように、住宅のCO2は「住んでからの省エネ」だけでなく、「建てる前の建材選び」まで含めて評価される時代になっています。その中でニチハは、木材チップの炭素貯蔵によって製品そのものにCO2を固定化するというアプローチを提案します。
――意匠性と機能性に対するこだわりと、環境への配慮を両立させたい。
そんな方は、デザイン性や耐久性を満たし、かつCO2の固定化というエシカル(倫理的)な価値を持つ「オフセットサイディング」を、外壁材の選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
断熱や住宅の省エネに関しての詳細は、下記記事をご覧ください。
⇒「外壁の種類のひとつ、金属サイディングとはどんなもの? その特徴と魅力に迫る」
⇒「外壁材(サイディング)の種類にはどんなものがある? 機能も考慮したおしゃれな外壁材選び」
ファサードの質を高める木目調軒天に関する詳細は、下記記事をご覧ください。
⇒「木目調軒天でファサードの質を高める 外壁・屋根と調和させる軒天デザインとは」









