
2026.09.02
差し掛け屋根・招き屋根とはどんな屋根? 片流れと似た形状の各屋根のメリット・デメリット
目次
屋根にはさまざまな形がありますが、デザイン性を重視する方に人気なのが「差し掛け屋根」や「招き屋根」です。どちらも片流れ屋根に似た形状を持つ屋根ですが、構造や特徴、適した住宅は異なります。
そこで本記事では、各屋根の違いや、メリット・デメリットを解説するとともに、太陽光パネルとの相性、雨漏り対策、平屋・二階建てへの適性などもご紹介します。住まいやライフスタイルに合った屋根選びの参考にしてください。
片流れ屋根・差し掛け屋根・招き屋根はどう違う?
片流れ屋根・差し掛け屋根・招き屋根は、シンプルでおしゃれな外観をつくれる種類の屋根ですが、形状や屋根のかかり方に違いがあります。まず「片流れ屋根」は屋根の面が1方向だけに大きく傾斜した屋根です。
「差し掛け屋根」は、高さの異なる2つの片流れ屋根を、上下、段違いに組み合わせた形状の屋根です。メインの建物(母屋)に、もう片方の屋根を差しかけるように作ることから、そう呼ばれています。
そして「招き屋根」は、片面の斜面が長く、もう一方の斜面が短い、屋根面をカタカナの「へ」の形、左右非対称に組み合わせた形状の屋根です。招き猫が手招きしているように見えることが名前の由来です。
差し掛け屋根のメリット
差し掛け屋根はデザイン性が高く、家全体をモダンに仕上げられる屋根ですが、見た目以外にもさまざまなメリットがあります。
●屋根裏スペースを確保しやすい
2つの屋根に高低差があるので、屋根と天井の間にまとまった空間をつくることができます。このスペースを屋根裏収納やロフトとして活用すれば、限られた延床面積でも収納などのスペースを確保できます。勾配を活かして天井を高くすれば、開放感のある空間演出も可能です。
●採光や通風に適している
差しかけ屋根は、屋根の段差部分に窓を設置すれば、自然光をたっぷり取り込めるのもメリットです。高い窓は周囲の建物に遮られにくく、室内を明るくしてくれます。上下の温度差を利用した通風も期待でき、快適な室内環境づくりに役立ちます。
●雨水が一方向に流れやすい
屋根面に勾配がついているため雨水を一定方向へ流しやすく、雨樋の位置などの計画が立てやすくなります。
差し掛け屋根のデメリット・注意点
おしゃれな差し掛け屋根にはデメリットも存在します。事前に理解して置き、設計する際に注意しましょう。
●雨漏りのリスクがある
差し掛け屋根は、屋根と外壁が接する接合部分が多いため、一般的な屋根と比べて雨仕舞い(防水施工)に注意が必要です。雨水が集まりやすい部分の防水処理が不十分だったり、経年劣化によって防水材が傷んだりすると、雨漏りにつながる可能性が高くなります。接合部分は定期的に点検し、必要に応じて補修やメンテナンスを実施することが大切です。
●外壁が汚れやすい場合がある
屋根の勾配によっては、雨水が外壁側に流れたり、屋根にたまった雨水が外壁に跳ね返ったりすることがあります。その結果、外壁に雨だれの跡や汚れが付着してしまうことも。特に屋根と外壁の接合部は汚れが目立ちやすいため、排水経路を適切に計画し、定期的に外壁の状態を確認しましょう。
招き屋根のメリット
個性的な印象を作ることができる招き屋根には、実用的なメリットもたくさんあります。そのうち3つをご紹介します。
●太陽光パネルが設置しやすい
招き屋根は2つの屋根面のうち一方を大きく取れるため、屋根の形状や方位によっては太陽光パネルをたくさん設置できます。日当たりの良い方向に広い屋根面を設ければ、太陽光を効率よく受けられるでしょう。
ただ実際の発電量は、屋根の向きや勾配、周辺環境などによって変わるため、設計段階で注意深く確認することが大切です。
●施工費用を抑えられる
招き屋根は、複雑な形状の屋根と比べると比較的シンプルな構造なので、基本的には施工費用を抑えやすい形状です。
もちろん屋根の面積や勾配、使用する屋根材、住宅の大きさなどによって、費用は変わってきます。施工費用に大きな差が出ない場合もあるので、屋根形状だけで判断せず、見積もりを比較することが大切です。
招き屋根のデメリット・注意点
招き屋根も、棟や部材の接合部分から雨漏りするリスクがあります。施工時には接合部の納まりを確認し、定期的に屋根や防水部分の状態を点検しましょう。もっとも、どんな屋根でも雨漏りのリスクはゼロではありません。コーキングの劣化や雨仕舞いに注意し、定期的なメンテナンスは必要です。
「差し掛け屋根」と「招き屋根」のよくある疑問
屋根の形状は、家のデザイン性だけでなく空間利用や住環境を左右する大切な要素です。差し掛け屋根や招き屋根について、よくある疑問についても知っておきましょう。
●平屋・二階建てにはどちらがおすすめ?
差し掛け屋根は、屋根の高低差を利用して高窓を設ければ、平屋でも室内に十分な光や風を取り込みやすいのが特徴です。
二階建ての場合は、何を重視するかによって選択が変わってくるかもしれません。差し掛け屋根は、屋根裏を活用しやすく、招き屋根は太陽光パネルの恩恵を受けやすいなどのメリットがあります。
こうした特徴は、建物の形状や間取り、採光・通風などによっても変わるため、建築会社の担当者とよく相談しましょう。
●メンテナンスしやすいのは?
一般的に、屋根の形状がシンプルなものほど、点検や補修がしやすい傾向があります。差し掛け屋根は屋根と外壁の接合部、招き屋根は屋根の部材同士が接する部分に注意が必要です。
実際のメンテナンスは、屋根形状だけでなく、勾配や高さ、使用する屋根材、施工方法などによって変わってくるので、どんな屋根でも定期的な点検は重要です。
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まとめ
差し掛け屋根と招き屋根は、片流れ屋根に似た部分もありますが、それぞれ持ち味が異なります。まとめると、差し掛け屋根は採光や通風、屋根裏空間の確保に適しており、招き屋根は、コストを抑えられ、屋根の形状や方位によっては太陽光パネルも設置しやすい点が魅力です。
デザインだけでなく、雨仕舞いやメンテナンス性、敷地条件なども考慮して、わが家に最適な種類の屋根を選んでください。
記事を読んだらクイズに挑戦!
「招き屋根」の名前の由来は、 招き猫が手招きしているように見えることが由来になっている。














