切妻屋根とは？ その人気の理由とメリット・デメリット　おしゃれな施工例もチェック！

まずは切妻屋根の基本的な特徴からみてみましょう。

●屋根の頂部から両側に流れる斜面によって構成される屋根形状
切妻屋根の形状は棟（屋根の頂部）から両側に向かって流れる斜面で構成されています。建物の妻面（棟と直角になる壁面。妻側ともいう）が切られたように見えることが「切妻屋根」という名前の由来です。日本の木造戸建て住宅では最も一般的な屋根形状のひとつであり、三角屋根のかわいらしいシルエットが多くの人に親しまれています。

シンプルな形状のため、高い品質を期待でき、不具合が生じやすいポイントや補修の方法も明確化されているため、維持管理の計画が立てやすく、適切にメンテナンスし続けることで機能と美観を長く保つことができます。

切妻屋根には性能面や空間活用などの面でさまざまなメリットがあります。

・雨漏りのリスクが少ない
・短工期かつ低コスト
・屋根裏の空間が有効活用できる

切妻屋根の持つ大きな特徴は、シンプルかつ効果的な傾斜があることです。この傾斜によって雨や雪が流れ落ちやすくなっているため、屋根材の隙間から水が浸入しにくくなります。豪雪地域では屋根勾配を大きく取ることでさらに安全性を高めることも可能です。シンプルな形状は施工面でも有利に働き、短工期・低コストの家づくりに繋がります。

また、屋根の頂部付近に屋根裏空間が生まれ、さまざまな使い方ができることもうれしいポイント。季節物を収納する物置や自分だけの時間を楽しむ趣味の部屋など、暮らしに快適性や豊かさをもたらす柔軟な空間として使えます。

多くのメリットがある切妻屋根ですが、いくつかのデメリットも持っています。事前に解決策を考えた上で採用し、理想の家づくりを実現しましょう。

おしゃれな家をつくりたいと考えている方に多い悩みが、オリジナリティを出しにくいということです。切妻屋根は昔から親しまれているので、個性を表現するには形状や色合い、素材感で工夫する必要があります。対応製品は豊富なので和風・モダン・洋風といった全体のテイストに合わせてコーディネートしていきましょう。

性能面のデメリットは妻面の劣化が早い傾向にあることです。妻面は傾斜がないので雨風や紫外線の影響を受けやすいのが原因のひとつとされています。地上からでも目視点検できるので、定期的に不具合の有無を確認して、早めの対策を心がけましょう。

ここではニチハの屋根材を使った切妻屋根の施工例をご紹介します。切妻屋根のシルエットを生かしたおしゃれな事例を選んでいますので、オリジナリティ溢れる家づくりの参考にしてください。

合掌造りをイメージさせるダイナミックな切妻屋根が印象的な戸建て住宅。合掌造りは豪雪地帯の厳しい自然環境を耐え抜く歴史的な建築様式として高く評価されており、「白川郷・五箇山の合掌造り集落」は世界遺産にも登録されています。

この住宅は合掌造りのような力強さが安心感をもたらすとともに、深い軒が住人を日差しから優しく守る役割を果たしているのが特徴です。大きな三角屋根が生み出す2階は可変的フリースペースとして開け放たれており、自由度の高い暮らしを提供しています。

切妻屋根を2つ並べることでアメリカンライフスタイルを表現した住まいです。かわいらしい色合いの外壁や窓枠に勾配のゆるやかな三角屋根がよくマッチしています。2階の一部は半屋外空間となっており、切り欠かれた屋根から見える青い空が住民に憩いの時間をもたらしてくれます。

切妻屋根は日本だけでなく、海外でもよく使われている屋根なので、コンセプトに合わせたさまざまな演出が可能です。

切妻屋根は多くの実績を持ち、性能面の信頼性が高い屋根形状です。安心・安全に暮らせるマイホームをつくりたいと考えている方にとっては有力な選択肢になることでしょう。つくりがシンプルでメンテナンスがしやすいことも安心できるポイントのひとつです。おしゃれな家づくりをしたい場合は、全体のコンセプトに合わせて形状や色合い、素材感にこだわりましょう。デザイナーと相談しながら切妻屋根のさまざまな表情を楽しんでみてください。