2024.02.01

ファサードには屋根の形状が大きく影響! 陸屋根、片流れ屋根等どれを選ぶ?

建物の印象を左右するファサード。そのファサードを構成する要素のひとつに「屋根」があります。
本記事では屋根について取り上げ、おしゃれな屋根の形にするポイントや注意点と、屋根の形の種類とそれぞれの特徴などをご紹介します。

ファサードについて詳しくは、下記記事もご参照ください。
⇒「ファサードとは?おしゃれな第一印象を演出する壁のデザイン

おしゃれな屋根の形にするポイント・注意点

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https://www.nichiha.co.jp/works/residential/562

まず、おしゃれな屋根にするためのポイントについてご紹介します。
屋根はファサードの見た目に与える影響も大きいので、住宅計画の際にはしっかりチェックしておきましょう。

●道路側からの見え方を重視する
家の道路側は最も目立つ場所であり、行き交う人が最初に目にするポイントでもあります。そのため道路側からの見え方を重視することで、建物全体の外観やバランスを整った印象にできます。

適切な屋根の勾配や形状を選ぶことで、周囲の環境とも合うおしゃれな雰囲気になります。逆にあまりにも大きな勾配や奇抜な形状の屋根は周囲の景観と調和せず、目立ちすぎてしまう可能性があります。屋根の形状を選ぶ際には、建物のスタイルや周囲の環境、道路からの視点を考慮することが大切です。

●勾配に変化を付ける
勾配が急な屋根はシャープで印象的な外観になり、特徴的なフォーカルポイントになります。屋根に変化を持たせれば建物全体がダイナミックな雰囲気になるのでおすすめです。

積雪地域では屋根の勾配が重要な役割を果たします。急勾配の屋根は雪が滑り落ちやすく積雪の重みによる建物への負荷を軽減できるので、屋根の損傷や負荷によるトラブル防止に役立ちます。

●外壁の色との組合せを確認する
外壁の色と屋根の形状は、建物全体の外観を決定する重要な要素です。それぞれが調和し、バランスの取れたデザインを選ぶとおしゃれになります。

具体的には、同じトーンや色調の外壁と屋根を組み合わせることで統一感が出ます。例えばホワイト系の外壁には明るめの屋根を組み合わせることで、清潔感を強調できます。逆にシックで落ち着いた暗めの外壁であれば、ダーク系の色味が合いやすいです。

また、外壁と屋根の色の組み合わせによっても建物の印象やスタイルも大きく変わります。例えば、白い外壁にグラデーション模様の屋根を合わせると南欧風の印象になります。このように、色や柄の選択によって建物の雰囲気や特徴を演出できるのです。

●軒の長さを考慮する
軒(のき)とは屋根の端部で、建物の外側に突き出ている部分を指します。軒は雨や日差しを遮るだけでなく、建物の外観やデザインにも影響を与えます。

最近では、軒が短いスタイルの住宅が人気を集めています。短い軒はモダンで洗練されたデザインで、スマートな印象になります。特に土地がコンパクトな都市部の住宅では、隣家との干渉を避けるために短い軒が採用されることが多いです。

適した軒の長さですが、地域の気候条件や建築様式によって異なります。例えば、沖縄の住宅では軒が比較的長い傾向があります。長い軒にすることで、強い日差しや雨から住宅を守る役割を果たします。このように、軒の長さはデザイン性だけでなく、住み心地や機能性も考慮することが大切です。

屋根の形の種類

ここでは、屋根のデザインによる形状の種類を具体的にご紹介します。幅広いデザインがあるため、実現したいイメージに近いものを選ぶとよいでしょう。

●左右対称のデザイン
・切妻屋根

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切妻屋根とは、正面から見たときに三角形の形をした屋根です。
本を開いて伏せたような形状で、一般的な住宅でよく採用されるデザインです。

切妻屋根は水や雪が効率的に流れやすいので、雨漏りのリスクが低くなります。また、屋根裏の空間を有効に使うこともできます。見た目もシンプルで美しく、様々な建築スタイルに合わせやすいのも特徴です。

・陸屋根

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https://www.https://www.nichiha.co.jp/works/residential/638

陸屋根(ろくやね)は、ほとんど勾配がないフラットで平らな屋根です。
一般的には鉄筋コンクリートなどの建築で見られるスタイルで、屋上としても利用できるように設計されています。

ただし陸屋根は雨の排水が難しいため、排水溝や防水設備を設ける必要があります。屋根と直下階の間にスペースが無いことから外気温が伝わりやすいので、適切な断熱施工や空調機器の設置が求められます。

・方形屋根

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方形屋根とは、一つの頂点から四方へ屋根が流れる形状の屋根です。
真上から見ると正方形をしており、ピラミッドのように整った印象になるのが特徴です。伝統的な寺社仏閣でよく見られる形状ですが、モダンやスタイリッシュなデザインとの相性も良いです。

・寄棟屋根

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寄棟屋根(よせむねやね)は四方に向かって傾斜した形状で、その上方に棟(むね)がある形式の屋根です。
棟の部分が一番高くなっており、そこから四方に向かって均等に傾斜しています。これにより雨や雪を効果的に流し、建物全体の負荷を軽減できるのが特徴です。

対称的で美しい形状から、建物全体に安定感のあるバランスが感じられます。寄棟屋根は日本の住宅で古くから採用されており、機能的で美しいデザインとして人気があります。

・入母屋屋根

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入母屋屋根(いりもややね)は、切妻屋根と寄棟屋根を組み合わせた形状となっています。
切妻屋根の妻側に、屋根下部から途中まで寄棟屋根のような形で屋根を架けるハイブリッドなスタイルです。特に和風の建築物や伝統的な日本の住宅でよく見られ、高級感や格式のある外観を演出します。複雑な形状ですが、建物全体に立体感のある雰囲気をもたらします。

●左右非対称のデザイン
・片流れ屋根

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片流れ屋根(かたながれやね)は、片側に全面的に傾斜している屋根です。

構造がシンプルなので、設置やメンテナンスが比較的簡単です。屋根と天井の間が広いことから、小屋裏収納やロフトを作ることも多いです。

・招き屋根/差し掛け屋根

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招き屋根とは、切妻屋根の一方を長くした形状を指します。
片方が他方よりも長く突き出ているため、建物の出入り口や玄関部分をよりしっかりと覆うようなデザインになっています。雨や日差しから効果的に守れるため、機能性と美しさを両立できるのがメリットです。

そして差し掛け屋根は、主屋根よりも一段低く取り付けられた屋根を指します。「段違い屋根」と呼ばれることもあり、アシンメトリーで個性的な外観になるのが特徴です。招き屋根と差し掛け屋根は同じ建物で一緒に採用されることも多く、相性の良い組み合わせです。

まとめ

本記事では、屋根の形状の種類についてご紹介しました。屋根のデザインによって建物の印象は大きく変わるため、しっかり選ぶ必要があります。機能性と見た目が両立できるよう、ポイントを守って計画してみてはいかがでしょうか?

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