2024.01.05

窓の数がファサードのイメージを変える! 窓がないファサードデザインもおしゃれ?

ファサードを構成する3つの要素のうちのひとつである窓。その窓の数や大きさ、デザインによって、ファサードのイメージは大きく変わります。窓のある・なしによるそれぞれのメリット・デメリットと、窓がない(少ない)ファサードの事例の紹介と失敗しない計画ポイントについてまとめました。

ファサードの印象に大きな影響を与える「窓」

●ファサードとは
ファサードとは、建物正面の外観のことです。建物の顔ともいえる重要な部分であり、都市空間ではランドマークとしても機能します。ファサードの語源はフランス語の「façade」で、ヨーロッパでは都市景観の考え方から重視されています。

ファサードを構成する主な要素は「屋根」「窓」「外壁」「照明器具」です。それぞれの組み合わせ方は、時代背景に合わせて変化しています。古い時代には豪華で複雑なデザインが多く見られましたが、最近はモダンでシンプルな形状が主流となっています。 また、パターンも多様化しており、おしゃれなファサードにすれば建物のオリジナリティを演出できます。

※ファサードについて詳しくは、下記記事をご覧ください。
⇒「ファサードとは?おしゃれな第一印象を演出する壁のデザイン

●ファサードと「窓」の関係
一般的な住宅のファサードには、窓があります。窓の数や大きさでファサードのイメージは変わり、外観の印象も大きく左右されます。そのためファザードの構成には注意が必要です。

ファサード

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/737

こちらのファサードでは、大きな窓が配置されています。これにより建物内部への採光はたっぷり確保でき、開放的なイメージを演出できるのがメリットです。

ファサード

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/481

一方で、こちらのファサードは小さい窓が複数配置されているデザインです。ラインをあえてずらし、大きさをバラバラにすることで、リズム感のある雰囲気に仕上がっています。このように、窓の数や大きさによって、ファサードのイメージは大きく変わります。

●窓のある・なしによるメリットとデメリット
窓の多い住宅のメリットとして、下記の点が挙げられます。

・自然光がたくさん入る
・景色を楽しめる
・通風を確保できる

まず、窓が多いと自然光がたくさん入ります。十分な日光を取り入れることで、室内は明るく開放的になります。これにより気分も明るくなり、居住空間をより広く感じさせる効果があります。

また、窓が多いと景色を楽しめることも魅力です。美しい景色や庭の緑を眺めることでリラックスでき、自然との繋がりを感じることができます。
そして窓がたくさんあると風通しが良くなり、新鮮な空気を取り込めるのもメリットです。

一方で、窓が多いと断熱性の低下やプライバシー確保の問題、メンテナンスの負担が掛かる点などがデメリットとなります。

窓がないファサードの魅力とは

ファサード

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/580

最近ではモダンでスタイリッシュなデザイン住宅の中で「窓のないファサード」という外観が人気を集めています。ここでは、窓なしにすることのメリットをご紹介します。

・スタイリッシュな外観になり、外壁の素材感を活かせる
・窓における熱の流出入が無くなり、断熱性能が上がる
・窓の設置費用やメンテナンス費用を節約できる
・プライバシー保護・セキュリティ面への配慮

あえて窓をなくすことで、デザインがすっきりまとまるのがメリットです。外壁の面積が大きくなる分、インパクトのある外観が作れます。スタイリッシュな外観にしたい場合や、外壁の素材感を活かしたい場合におすすめです。

窓は熱損失が大きい箇所なので、開口部をなくすことで断熱性能がアップします。特に西日の当たる部屋では、夏場の暑さ軽減に繋がります。光熱費の節約にもなるので、一石二鳥です。

窓の設置には、窓本体価格やサッシ、工事費用、メンテナンス費用といったコストが掛かります。しかし、窓をなくすことで各費用の節約ができるので、リーズナブルになります。

また、窓がなければ外部からの視線も気にならないため、家族の安全が守れる点も大きなメリットです。

窓がない・少ないファサードの事例

ここでは、窓がない・少ないファサードの事例をご紹介します。
具体的なデザインを知ることで、住宅計画の参考にしてみてください。

①南側のファサードにあえて窓を設けない白亜の邸宅

ファサード

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/494

こちらは全面をホワイトで統一した、飾りのない美しいファサードとなっています。継ぎ目の目立ちにくい外壁材を用いることで、塗り壁のような繊細な素材感が実現しました。

南側の壁面には窓を設けるのが一般的ですが、こちらはあえて窓をなくしたことでワンランク上の美しい壁面をつくりあげています。

②サッシと屋根もブラックでまとめたシックな外観

ファサード

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/728

「黒い外壁だと夏場は暑いのでは?」と心配される方も多いですが、最近では住宅の断熱性能が向上したことで、黒い外壁でも夏場の暑さが軽減できるケースが多いです。こちらの事例ではサッシや屋根をあえてブラックに統一したことで、こだわりと高品位を見事に感じさせるデザインとなっています。

③ファブリックのような質感が個性的なアクセント

ファサード

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/684

こちらは、道路に面した外壁で窓をなくしたファサードを採用しています。全面を単色で統一するデザインもおしゃれですが、ファサードのポイントとして色に変化を持たせることで、ファブリックのような質感と繊細で豊かな色彩を演出しています。外壁材が個性的なアクセントとして壁面を彩り、玄関に繊細な表情を与えているのが特徴です。

④木目調デザインとシンボルツリーで魅せるファサード

ファサード

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/685

手前と奥でボリューム感のある構成の建物のため、奥行きが感じられるデザインとなっています。玄関アプローチの斜めの壁が特徴的で、壁面の「コートリーウッド」と足元の木目調タイル、木目調の軒天が柔らかい雰囲気を演出しています。外壁材をシンプルなホワイトにすることで、家の中心に設置したシンボルツリーが引き立っています。

⑤プライバシーに配慮したデザイン住宅

ファサード

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/621

まるで美術館のような洗練されたファサードで、真っ白な外壁が都会的な印象となっています。左右接合部にはシーリング目地が不要の外壁材を用いることで、コンクリート打ちっ放し柄の外壁材をアプローチのアクセントにしています。幹線道路沿いながらプライバシーに配慮された、大きなLDK+大きなベランダを兼ね備えた間取りが特徴です。

⑥光沢感のある雪国の家

ファサード

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/578

こちらは、鏡面仕上げで光沢感のあるファサードが特徴です。雪国にある住宅のため、「風除室」「物置」「庭」という3つの外部要素を備えています。機能性とデザイン性を両立させた上で、快適な住空間と雪景色にあう街並みの形成が試みられています。

窓がないファサードの失敗しない計画ポイント

ファサード

窓がないファサードはおしゃれで素敵ですが、計画時にポイントを押さえないと後悔や失敗に繋がってしまいます。下記の点に注意して、納得のいくファサード計画を立てましょう。

●日当たりをシミュレーションしておく
窓がない面だと、日中の日当たりが得られなくなってしまいます。これにより室温の低下や部屋が暗くならないよう、家全体の日照バランスを考慮する必要があります。

●部屋の配置を考慮する
一般的に、リビングやダイニングは日当たりの良い配置の間取りが好まれます。しかし、トイレや浴室といった水回りやウォークインクローゼット等の収納に関しては、日当たりの良さは求められません。そのため窓のない側を利用して、水回りや収納スペースを配置するのがおすすめです。

●換気設備を取り入れる
窓のないファサードでは窓の開閉ができないため、通風が確保できません。そのため、場合によっては結露やカビといったトラブルを引き起こしてしまうケースがあります。このような不具合を防ぐため、換気設備や空調を適切に配置するようにしましょう。

●中庭を取り入れると快適に
家の内部に中庭を配置することで、自然光や通風が確保できるのでおすすめです。外部からの視線も気にならないので、完全なプライベートスペースとして活用できます。ただし建築面積に余裕が必要なので、間取りとのバランスを考慮しましょう。

まとめ

窓がないファサードは外壁材の素材感が際立ち、おしゃれな印象を演出できます。特に道路に面した外壁では、プライバシー保護の面からもおすすめです。
ご紹介した事例を参考に、ファサードのデザインを計画してみてはいかがでしょうか?

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