2026.06.30

屋根リフォームでファサードをおしゃれに! 葺き替えと重ね葺きの違いとメリットとは

外壁・屋根・窓・照明といったファサードのデザインは、家の第一印象を決定づける重要な部分です。とりわけ屋根は外観の美しさを大きく左右するだけでなく、住まいを雨風や紫外線から守る大切な役割も担っています。

今回は、屋根をおしゃれにリフォームするための、「葺き替え」と「重ね葺き」に焦点を当て、2つの工法の違いやメリット・デメリットについて解説します。あわせて、近年増加している悪質な業者への対策や、リフォームに活用できる補助金もご紹介します。屋根のリフォームを検討している方、どちらの工法がよいか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

記事の最後にクイズもありますのでこの記事を読んで答えてみてください。

屋根のリフォームのタイミングを知らせるサイン

屋根リフォーム タイミング

雨風や紫外線など、屋外の過酷な環境にさらされる屋根は、経年で少しずつ傷んでいきます。大きな修繕が必要になる前に、屋根の傷みを早めに発見して、適切なタイミングでリフォームしましょう。
屋根に次のような状態が現れたら、それはリフォームのサインです。

・変色・色あせしている
・反りやひび割れが見られる
・塗装が剥がれている
・苔やカビが生えている
・屋根材自体がはがれている・ひび割れている
・屋根を留める釘が抜けている
・板金部材が浮いている

瓦屋根の場合は、瓦のズレや漆喰の剥がれもリフォームを検討すべきサインです。
もし、最後に屋根を点検してから10年以上経っていたり、天井や壁にシミが出てきて雨漏りの兆候が見られたりする場合は、築年数や屋根材の状態にかかわらず専門業者に相談しましょう。「小さなシミだから」と対応を先延ばしにすると、屋根材の下で防水を担うルーフィング(防水シート)や、雨仕舞(雨水の浸入を防ぐ仕組み)の機能が損なわれ、屋根材を支える野地板(のじいた)や柱の腐食など深刻な被害につながるおそれがあります。
屋根のリフォームは雨漏りなどのトラブルが表面化する前に行うのが望ましく、万が一雨漏りが発生した際の修理は時間との勝負です。早めの対策が住まいを長持ちさせる秘訣といえます。

「葺き替え」と「重ね葺き」の違いとは

屋根リフォーム

屋根リフォームの方法には「葺き替え」と「重ね葺き」の2種類があります。
葺き替えは、既存の屋根をすべて解体・撤去し、一新する工法です。屋根材だけでなく野地板やルーフィングなどの下地も必要に応じて新しくできます。施工後は新築と同様の状態に仕上がり、以前と違う色や素材の屋根材を選べば、印象もガラッと変わります。
一方、重ね葺きは現状の屋根材に新しい防水シートと屋根材を重ねる工法です。カバー工法とも呼ばれ、手軽に屋根を新しくできます。

また、屋根リフォームには「塗り替え(屋根塗装)」という選択肢もあります。屋根塗装の相場は60〜100万円程度で、工事のコストとしては比較的抑えられますが、対応できるのは塗膜の劣化までです。屋根材や下地まで傷んでしまっているような場合は、葺き替えか重ね葺きによる根本的な屋根リフォームを検討しましょう。

屋根リフォームに関しての詳細は、下記記事もご覧ください。
⇒「家の寿命を延ばす外壁リフォーム サイディングが選ばれる理由と塗り替え、張り替え、重ね張りのメリット・デメリット

「葺き替え」のメリット

葺き替え工事には大きく分けて3つのメリットがあります。

●屋根全体の耐久性が向上する
屋根材をすべて新しくすることで、家全体の寿命を延ばせます。既存の屋根材をはがす際に野地板やルーフィングなど下地の劣化状態が確認でき、適切な修繕を行えます。屋根材と共に防水を担っているルーフィングの寿命は20年程度。葺き替えなら下地ごと一新できるので、雨漏りのリスクをより低減します。

●耐震性の向上につながる

軽い屋根材への葺き替え

https://www.nichiha.co.jp/products/loof/armor/armor_point/

屋根の重さは建物の揺れ方に大きな影響を与えます。屋根リフォームで軽い屋根材に葺き替えると建物の重心が低くなるので、結果として家の耐震性が向上します。重い瓦屋根から軽量な金属屋根への葺き替えは、耐震工事の一環としてもおすすめです。

●外観の印象を変えられる
屋根材の色や材質を選び直せば、住まいの印象が大きく変わり、気持ちも新たに暮らせます。足場を共用し、外壁の張り替えも一緒にすれば、別々にリフォームするより費用を節約してファサード全体を一新でき、まるで新築のような気分を味わえるでしょう。

「葺き替え」のデメリット

屋根の葺き替えをすると住まいの耐久性・耐震性の向上も図れますが、デメリットもいくつかありますのでリフォーム前に把握しておきましょう。

●既存屋根の解体と廃材の処分に費用がかかる
屋根材をすべて取り替えるため、解体や廃材の処分費用がかかります。屋根の葺き替え費用は、30坪程度の住宅で280〜320万円程度が相場です。特にアスベストを含むスレート屋根は高額になります。

※ご自宅の屋根材がアスベスト含有製品かどうかの事前確認が必要です。
アスベストを含むスレート屋根材は、労働安全衛生法施行令等の一部改正により、2004年10月に製造禁止となりました。

●工期が長い
葺き替え工事にかかる日数は、屋根の形状や面積などによって異なりますが、1〜2週間ほどと考えておく必要があります。また、天候の影響を受けやすい工法なので、雨天の際は工期が長引く場合があります。

●近隣への配慮が必要
屋根を解体する際はホコリや騒音が発生し、近隣に迷惑をかけてしまうケースがあります。トラブルに発展することがないよう、事前に挨拶まわりを済ませておきましょう。

「重ね葺き」のメリット

重ね葺きのメリットは主に4つあります。

●リフォーム費用が安い
既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねるので、撤去などによる廃材がほとんど発生しません。廃材の処分費用を抑えられる分、比較的安くリフォームできます。重ね葺きの費用は30坪程度の住宅だと270〜300万円程度が相場で、葺き替えに比べて1割ほどコストを抑えられる場合があります。

●工期が短い
既存の屋根材を解体・処分する必要がなく、工程が少ないので葺き替えより工期が短く済みます。

●工事中も普段通りに生活できる
屋根材を撤去しないので、工事中も日常生活にあまり支障が出ず、仮住まいを用意する必要がないことから費用面での担が大きくならずにリフォーム可能です。

●断熱性や遮音性が向上する
屋根が二重構造になり、断熱性や遮音性が高まります。夏の暑さや冬の寒さ、雨音などが軽減され、住み心地も改善されます。

「重ね葺き」のデメリット

重ね葺きは比較的手軽にできる屋根リフォームですが、いくつかのデメリットもあります。

●屋根の下地や防水シートの状態を確認できない
リフォームの際に屋根の下地となっている野地板やルーフィングの状態が確認できません。下地などが傷んだままリフォームしてしまうと、屋根が本来の耐久性を発揮できなくなります。また、築年数が長くて家全体に劣化が見られ、屋根の強度が保てるかわからない状態では施工できません。事前に屋根の点検を受け、下地などの状態を確認しておくことが大切です。

●選べる屋根材が限られる
重ね葺きは屋根を二重構造にする工法のため、重量のある屋根材を使うと建物に負担がかかります。使える屋根材は金属製やアスファルトシングルなどの軽いタイプが推奨されています。

●一部の屋根材は施工できない
瓦屋根やトタン屋根は施工できません。瓦は凹凸が多いうえに材料自体が重いからです。また、古いトタン屋根は下地材が傷んでいるケースが多く、ほとんどの場合で重ね葺きができません。

屋根の種類についてこちらの記事もぜひご覧ください
⇒「屋根の種類はいくつある? 家を建てるに当たって知っておきたい屋根の形状や素材を紹介!

悪質な屋根リフォーム業者に注意

屋根リフォーム業者

近年、屋根工事の点検商法によるトラブルが急増しています。安心して工事が進められるように、悪質業者の手口を知っておきましょう。

●点検商法の手口

悪質屋根リフォーム業者

「近所で工事をしているのでご挨拶」「屋根が浮いているのが見えた」と突然訪問してくる業者には警戒が必要です。2023年に公表された国民生活センターの調査によると、屋根工事の点検商法に関する相談件数は2022年度に過去5年で最多となり、契約当事者の8割超が60歳以上の高齢者となっています。
点検商法の典型的な手口は無料点検と称して屋根に上り、わざと屋根材を破損させて「このままだと危険」と不安をあおり、高額な工事契約を結ばせるというもの。知らない訪問業者を屋根に上らせないことが鉄則です。点検は自分で選んだ信頼できる業者に依頼しましょう。

●火災保険トラブル
「火災保険を使えば自己負担なしで屋根を直せる」などと勧誘してくる業者も要注意です。火災保険などの損害保険は台風・雹・雪のような自然災害など、「偶然に発生する被害」が対象で、経年劣化が原因のリフォームには適用されません。また、「保険金が出るかどうか」を判断するのは保険会社であって業者ではないので、業者が「必ず保険でカバーできる」と断言するのは不自然です。保険関連のリフォームトラブルについての国民生活センターへの相談件数は2020年には10年前の20倍以上に増加しており、不正請求となることで、知らぬ間に保険金詐欺に加担してしまうリスクもあります。

●信頼できる業者の選び方
トラブルを避けるために以下のポイントをチェックして業者を選びましょう。

・建設業許可や建築板金技能士などの資格・許認可を確認する
・地元での施工実績や口コミを確認する
・複数の業者から相見積もりを取る(最低3社)
・見積書の内訳が明確で、追加費用の説明がある
・契約を急かさない、しつこく勧誘しない業者を選ぶ

万が一トラブルに遭った場合は相談窓口に相談しましょう。クーリング・オフ制度が利用できるケースもあります。

・消費者ホットライン :188(いやや
・国土交通大臣指定の「住まいるダイヤル」 TEL:03ー3556-5147

屋根リフォームで使える補助金

費用が屋根リフォームのネックになっている方にとって心強いのが、国や自治体の補助金制度です。条件を満たせば屋根の葺き替えで補助金を受けられる場合があります。

●耐震・省エネ関連の補助金
重い瓦屋根から軽量な金属屋根への葺き替えは、耐震工事として補助金の対象になるケースがあります。また、断熱性能を高める工事は省エネや断熱改修の補助金対象となることも。屋根リフォームは「住まいの性能向上」につながるので、複数の補助制度に該当する可能性がある工事です。

●自治体の補助金と確認方法
国の制度だけでなく多くの自治体も独自のリフォーム支援制度を設けています。利用を検討する際は、補助金の対象要件や補助額など最新情報を確認しましょう。

・国土交通省「住宅リフォームの支援制度
・お住まいの自治体の公式サイト
・住宅リフォーム推進協議会「リフォームのお得な制度

費用面のハードルを下げられる可能性があるので、葺き替えや重ね葺きを検討する際はぜひ確認してみてください。

屋根をリフォームして安心して暮らせるおしゃれな住まいに

屋根リフォーム

https://www.nichiha.co.jp/works/residential_reform/30053

紫外線や雨風にさらされている屋根は、気づかないうちに見えない部分の劣化が進みます。家の寿命を延ばして安全に住み続けるためにも、大きな不具合が起きる前に屋根のリフォームを検討しましょう。リフォームのタイミングで屋根の色や素材を変えれば、イメージチェンジした家の外観を楽しむこともできます。しかし、リフォームの際には悪質な業者に惑わされないよう、信頼できる業者を選び、補助金も活用しながら、納得のいく屋根リフォームを実現してください。
屋根を一新する葺き替えと重ね葺きは、どちらもメリット・デメリットがあるので、屋根の状態や予算に合わせて検討し、ファサードも素敵な家に仕上げましょう。

なお、ニチハは外壁や屋根などの外装リフォームの製品も充実しており、「塗り替え」では難しい「快適」「安心」「経済的」な住まいを実現できます。下記ページもぜひご覧ください。
⇒「リフォーム編 外壁・屋根のリフォームをお考えの皆さまへ

また、ファサードに関しては、下記の記事でも詳しく紹介していますので、こちらもぜひご確認ください。
⇒「ファサードとは?おしゃれな第一印象を演出する壁のデザイン
⇒「ファサードには屋根の形状が大きく影響! 陸屋根、片流れ屋根等どれを選ぶ?
⇒「軒天とは? 軒下・軒裏はどこ? 意外と知らない住宅の重要部分が担う役割 外壁とのトータルコーディネートでおしゃれに!

屋根の種類についての詳細は、下記の記事をご覧ください。
⇒「寄棟屋根はどんな屋根? 切妻屋根との違いとメリット・デメリット 平屋でもおしゃれに!
⇒「切妻屋根とは? その人気の理由とメリット・デメリット おしゃれな施工例もチェック!
⇒「陸屋根とは 屋上庭園や家庭菜園、テラスに使えるフラットルーフのメリット・デメリット

【記事更新日:2026年6月30日/記事公開日:2024年6月3日】

記事を読んだらクイズに挑戦!

瓦などの重い屋根を葺き替える場合、防水性能だけでなく、耐震性能も高めることもできる。

正解!

残念...正解は◯でした。

既存の屋根材を全て撤去し、新しく葺く「葺き替え」をおこなう際に、既存の屋根材よりも軽い屋根材で葺くと建物の重心が低くなり、耐震性能が高まります。ニチハでは、軽量な金属製屋根材も製造しており、屋根のリフォームでも広くご採用いただいています。

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