2025.04.11
外壁のシーリングはなぜ必要?デメリットを解消できるコツ シーリングレス体験談もご紹介!
建物の印象は、外壁の風合いや素材感が大きな影響を与えます。外壁材の継ぎ目をしっかり処置するとより美しく見えるようになります。本記事では、外壁材の継ぎ目に施される「シーリング」について解説し、外壁の美観を損なわないシーリングのポイントをお伝えします。ぜひ参考にしてみてください。
シーリングとは

シーリングとは、住宅建築では継ぎ目や隙間を埋めるために弾力性のあるペースト状の材料を指します。「密閉、密封、接着」という意味です。
レンガ壁のような現場でブロックを積み上げるような工法であれば、ブロックを接着させるモルタルなどが隙間を埋めてくれます。一方、安定した品質や施工性の良さからよく使われるようになった工場生産のパネル状の外壁(サイディングなど)は、外壁材の継ぎ目から雨水などが浸入してしまうため、継ぎ目を充填する工事が必要です。そこで重要なのがシーリングであり、以下のような役割を果たしています。
【シーリングの役割】
・雨水の浸入を防ぐ
・地震・強風などによる外壁の動きに追従して損傷を防ぐ
・外壁の切断面(小口)を保護し、劣化を防止する
シーリングは外壁などを支える陰の存在です。注目を集めることは少ないですが、建物の性能を維持するのに大切な縁の下の力持ちといえます。
外壁材の継ぎ目の役割や計画時の注意点については、下記記事もご覧ください。
⇒「外壁をおしゃれでキレイな仕上がりにしたい! 継ぎ目の目地が目立ちにくい壁とは」
シーリングの弱点
シーリングは建物の性能を維持するのに重要な役割を果たしていますが、以下のような弱点があります。
【シーリングの弱点】
・継ぎ目がわかりやすく、美観に影響を与える場合がある
・硬化やひび割れなど、劣化が目立ってくる(通常は5〜10年程度)
・定期的なメンテナンスが必要
外観で意外と気になってしまうのが、縦に入っている外壁の継ぎ目です。新築時はシーリングがきれいな状態なので目立ちにくいのですが、劣化が進んで変色すると古びた印象を与えてしまうことがあります。また、シーリングの経年劣化により弾力性が失われると、防水性を十分に発揮できなくなってしまいます。
美観・性能を維持するためには、一般的なシーリングであれば5〜10年程度のスパンで打ち替えのメンテナンスが必要です。
シーリングの弱点を克服するには?
シーリングの弱点はどうしたら解消できるでしょうか。
●高耐久シーリング材を使う
高耐久シーリングを採用することで、キレイな状態をより長く保つことができ、メンテナンスの負担も低減できます。ニチハの「プラチナシール」は、長期間キレイが続く15年保証の超高耐久シーリングです。切れや色あせに強く、美しさとメンテナンスの負担軽減を兼ね揃えた製品です。
・プラチナシール 長期間キレイで劣化に強い安心の15年保証の超高耐久シーリング。
https://www.nichiha.co.jp/products/platinumseal/
●外壁の継ぎ目を減らす
外壁の継ぎ目を減らすことができれば、シーリングに関する悩みは少なくなるはずです。そのためにはいくつか効果的な施工ポイントがあります。
【外壁の継ぎ目を減らすポイント】
・継ぎ目が少なくなるように割り付ける
・開口部と継ぎ目の縦のラインを揃える
・外壁材を縦張りにする
継ぎ目の数は、建物の間口・奥行きの長さと外壁材のサイズの関係や、継ぎ目と窓・ドアの位置関係で決まります。外壁材のサイズに合わせて建物の大きさを決めたり、窓やドアの端部を継ぎ目のラインに揃えたりすることで継ぎ目を減らせます。基本的には設計者が決めることですが、外壁の雰囲気をチェックする際は継ぎ目にも着目するとよいでしょう。
また、外壁の施工方法には、外壁材を張る向きによって「縦張り」と「横張り」があります。外壁材の長辺を縦向きにする縦張りは、縦方向の長辺を実(さね)でかん合させるため、継ぎ目のシーリングを減らせます。
●シーリングレス仕様の外壁でシーリングを減らす
ニチハ「Fu-ge」「COOL」のシーリングレス外壁は「四方合いじゃくり」と呼ばれる特殊な施工方法でシーリングを大幅に低減できる商品です。
合いじゃくりとは、合わせる板の端の厚みを双方とも半分だけ削り取り、相互に張り合わせることをいいます。また、その半分削り取った部分を実(さね)と呼びます。四方合いじゃくりは4方向に実があるため、シーリング目地が大幅に減り、外壁がより自然に美しく仕上がります。
特殊な施工方法により、シーリングが無くても防水性や、外壁の動きに追従する性能は確保されているので安心です。

さらに、外壁材の板間のみではなく、開口部や出隅・入隅もシーリングレス仕様になるドライジョイント工法もあり、将来のメンテナンスコストを大幅に減らしつつも、ワンランク上の美しいデザインを実現できます。
関連ページ
⇒「外壁材 Fu-ge」
⇒「四方合いじゃくり(シーリングレス仕様)」
ニチハの「お客様の実感ボイス集」では、「Fu-ge PREMIUM」と「COOL」を採用したお客様のインタビューを掲載しています。シーリングレス仕様のスッキリと美しい壁面が非常に喜ばれた事例です。興味のある方はぜひご覧になってみてください。
⇒「お客様の実感ボイス集 シーリング目地が入らない美しい壁面が魅力!」
おわりに
あまり注目を集めることはないシーリングですが、建物の性能を支える縁の下の力持ちであり、実は見た目にも大きな影響を与える要素です。シーリングのデメリットを解消するためには、家づくりの段階からそのための工夫を取り入れることが大切です。本記事を参考にしながら、美しさと性能を兼ね備える理想の家づくりを目指してみてください。
外壁材の継ぎ目の役割や計画時の注意点については、下記記事をご覧ください。
⇒「外壁をおしゃれでキレイな仕上がりにしたい! 継ぎ目の目地が目立ちにくい壁とは」