期待に応える・各種性能
耐風圧性能
モエンエクセラードを鉄骨造C形鋼胴縁下地に金具(ロング金具含む)留めした外壁の耐風圧性能の安全性について、動風圧試験および鉄骨下地に対するビス引き抜き強度を確認。
留付工法別の許容風圧力
(1) 建物高さ16m以下の場合(社内試験結果より許容風圧力を設定)
■高さ16m以下のモエンの施工条件別許容風圧力 負圧、単位:Pa
工法 下地ピッチ(mm) |
留付金具 (JE555、JE825) |
留付金具SP (JE1570) |
通気留付金具SP (JE1870) |
通気ロング金具II (JEL870、JEL870S) |
5㎜浮きロング金具II (JEL570、JEL570S) |
一般金具+ビス補強※1 |
@606 | 1406 | 1935 | 2810 | 5875 | 3375 | 3521 |
※1 日本窯業外装材協会(NYG)での耐風圧試験評価結果です。
(2) 建物高さ16mを超える場合(社内試験結果より許容風圧力を設定)
通気金具および5mm浮き金具(金属胴縁15)の許容風圧力は下表のとおりです。
許容風圧力は、耐風圧性能に関わる社内試験結果より求めた値です。
■高さ16m超えのモエンの施工条件別許容風圧力 負圧、単位:Pa
工法 下地ピッチ(mm) |
5mm 浮き金具留付工法(RC造・金属胴縁想定) | 通気留付金具(鉄骨下地想定) | ||||
留付金具SP (JE1570) |
ロング金具II (JEL570、JEL570S) |
留付金具+ビス併用 (JE555+ビス補強) |
通気留付金具SP (JE1870) |
通気ロング金具II (JEL870、JEL870S) |
通気留付金具+ ビス併用 (JE825+ビス補強) |
|
@606 | 1550 | 1800 | 3150 | 1700 | 2065 | 3250 |
@500 | 1725※2 | 2180※2 | 3320※2 | 2060※2 | 2505※2 | 3700※2 |
@455 | 1800 | 2400 | 3400 | 2265 | 2750 | 3900 |
@303 | 3400 | 3600 | ― | 3400 | 4130 | ― |
※2 下地ピッチ@606、@455 の試験結果より計算で求めた値。社内試験実施結果より。
[施工法の概要]
■留付金具工法 |
■ロング金具工法 |
■留付金具・ビス併用工法 |
(3) 鉄骨下地に対するビスの引き抜き強度の確認
鉄骨下地鋼材厚さ別による負圧の風圧力に対する、留め付け用ビスの引き抜き強度を測定。
鉄骨下地鋼材C形鋼1.6mm厚、2.3mm厚に対する留め付け用ビスの保持力は下表のとおりです。
■ビスの引き抜き強度 単位:N/本
胴縁の種類・板厚 | C形鋼1.6mm厚 | C形鋼2.3mm厚 | |
金具留め付け用ビス ステンレステクスネジ JK1140(φ4mm×19mm) |
Ave | 1979 | 3874 |
標準偏差SD | 189 | 379 | |
モエン留め付け用ビス ステンレスリーマテクスネジ JK1250(φ5mm×60mm) |
Ave | 2091 | 4568 |
標準偏差SD | 183 | 414 |
表の数値はN=20の平均値および標準偏差SDを示し、安全率は考慮していません。
耐震性能
外壁材には、地震時における建物の変形に対して、破損や脱落による物的、人的な被害を最小限に食い止めることが求められます。ニチハでは、静的な変形能試験に加え、より地震時に近い挙動を再現する動的な変形能試験を実施することで、その安全性の確認をしています。
【補足】建築物の層間変形角の主な制限
- 建築基準法施行令第82条2:1/200(緩和措置 1/120)以内であることを構造計算により確かめなければならない。
- 建設省告示109号:31mを超える建築物の屋外に面する帳壁は1/150の層間変位に対して脱落しないこと。
- 官庁施設の総合耐震計画基準および同解説
:大地震時の鉄骨建築物の制限値として1/100を設けており、建築非構造部材についてもその変形により障害を生じないこととする。
動的変形試験試験規格:JSTM J 2001
■サイディングの施工方法 |
■試験体図 |
■試験結果 層間変形角1/50radまで、サイディングおよび出隅材に破損や脱落、その他の異常は見られなかった。 |
動的変形能試験動画
静的変形試験試験方法:「木造の耐力壁およびその倍率性能評価業務方法書」に準ずるタイロッド式面内せん断試験
■サイディングの施工方法 |
■試験体図 |
■試験結果
層間変形角1/50radまで、サイディングおよび出隅材に破損や脱落、その他の異常は見られなかった。
※試験値であり性能を保証するものではありません。
断熱性能
モエンエクセラードを使用した鉄骨造下地の❶プラスター・モエン外壁耐火構造(1時間)、❷センチュリー・モエン外壁耐火構造(1時間)、❸ダイケン-ニチハ耐火ウォールC(1時間)、❹その他の構造(例)の断熱性能について、熱貫流抵抗および熱貫流率を表1のように算定しています。
[表1] 各材料の熱伝導率
※1 通気層より屋外は熱抵抗値の加算なし。 |
■各工法の構造 |
[表2] モエン外壁構造の熱貫流抵抗と熱貫流率(一般部)
❶プラスター・ モエン 外壁耐火構造 (1時間) |
❷センチュリー・ モエン 外壁耐火構造 (1時間) |
❸ダイケン-ニチハ 耐火ウォールC (1時間) |
❹その他の構造 (例) |
|
熱貫流抵抗Rt (㎡・K/W) |
1.55 | 1.57 | 1.66 | 1.43 |
熱貫流率U (W/(㎡・K)) |
0.64 | 0.64 | 0.60 | 0.70 |
遮音性能
モエンエクセラードを使用した鉄骨造下地のセンチュリー・モエン外壁耐火構造、プラスター・モエン外壁耐火構造および
その他の構造(例)について、音響透過損失を測定して確認。
外壁の構成
鉄骨造にC形鋼の鉄骨胴縁を使用し、モエンエクセラードとセンチュリー耐火野地板、断熱材、強化せっこうボード、またはせっこうボードを組み合わせた複合構造。
■各工法の構造
※プラスター・モエン外壁耐火構造は認定上は屋内側せっこうボード不要。
遮音性能の確認方法
JIS A 1416「実験室における建築部材の空気音遮断性能の測定方法」に準じて試験を行った。
センチュリー・モエン外壁耐火構造などの音響透過損失を(表1)に、プラスター・モエン外壁耐火構造の音響透過損失を(表2)に示す。
■センチュリー・モエン外壁耐火構造の音響透過損失
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■プラスター・モエン外壁耐火構造の音響透過損失
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クリーンウッド法
ニチハの『オフセットサイディング』『センチュリー耐火野地板』は
「クリーンウッド法」該当製品。
クリーンウッド法公共建築物の木造化に最適な外装材です。
ニチハは「第二種登録木材関連事業者」に登録され、『オフセットサイディング』は、「合法性確認済み製品」として、取り扱いができるようになりました。
■該当製品
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ニチハの窯業系サイディングは、主な原料にセメントと繊維質を使用した外壁材で、確かな品質を保証する日本の工業規格(JIS A 5422)適合製品です。中でも『オフセットサイディング』は、補強繊維に国産材(スギ・ヒノキ)の木材チップを使い、木が生長過程で吸収した CO2を閉じこめる(固定化)効果が認められています。国産木材の利用促進とCO2固定化により、張るだけで環境貢献できるサイディングです。
ニチハの外壁材『オフセットサイディング』は創業以来培ってきた木材資源の活用技術を活かし、製品本体に含まれる国産材チップを体積比率
50%以上※2使用しています。それらの生産・普及による地球温暖化防止に貢献する活動を行っており、クリーンウッド法に適した製品です。
オフセットサイディングは国産木材の体積比率 50%以上 ※2 |
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窯業系サイディング
端材回収リサイクルシステムとプレカットサービス
建築業界が抱える大きな環境課題である「建築廃材の適正処理」。ニチハでは「循環型社会をめざして、もう一度資源へ」をスローガンに「広域認定制度」を活用した端材回収システムの普及を進めてまいりました。現在では、自社リサイクルプラントでの再生処理に加え、全国 11 箇所のセメント工場との提携によりリサイクル能力を大幅に強化しています。
また、2017 年 12 月より建築現場で発生する廃棄物(=製品の端材)を大幅に低減する 「製品出荷前プレカット(ラフカット)サービス」 を開始。
既存リサイクルシステムと合わせて「持続的な完全循環型リサイクル事業モデル」 の体制づくりを整えました。