トップメッセージ

長期ビジョン"Challenge Global to 2030"の下、
グループの企業価値の持続的向上を目指します。

当社グループでは、この度、2030年度をターゲットとする長期ビジョン"Challenge Global to 2030"を策定いたしました。このビジョンの下、我々の商品開発力、生能技術力、営業力をはじめ、資本効率やリスク管理等、あらゆる面でGlobalに通用する企業を目指してまいります。そこで、この長期ビジョンを実現すべく、2024年度から2026年度までを第一次中期経営計画、2027年度から2030年度までを第二次中期経営計画とし、今般、第一次中期経営計画を策定いたしました。
第一次中期経営計画では、2026年度の数値目標を連結売上高1,610億円、連結営業利益165億円、ROE(自己資本利益率)9%、ROIC(投下資本利益率)8%と定め、以下の4つの重要戦略テーマにスピード感を持って取り組むことにより、長期ビジョンの実現に近づけてまいります。

① 国内外の市場開拓推進
市場開拓については、国内住宅市場の縮小が続く中、ターゲット市場を国内住宅市場に加え、国内非住宅市場と海外市場にも拡大いたします。先ず、国内では、2023年度に窯業系外装材の市場シェアについて過去最高を更新いたしましたが、これを更に伸ばしてまいります。併せて、非住宅市場の開拓を加速すべく、商業施設分野では高い環境性能等を切り口に異素材外壁からの切替に注力、マンション分野では新たな工法を切り口に新築・リフォームの需要獲得に注力してまいります。次に、海外では、先ず、米国で営業体制強化により市場開拓を着実に進め、更なる事業拡大に繋げてまいります。また、豪州・アジア等では納品リードタイム短縮や現地施工体制支援等により市場開拓を進めてまいります。

② 収益性の向上
販売面におきましては、商品ラインナップのうち高付加価値品の比重を高めるほか、施工用部材の拡販等により、収益力アップに注力いたします。また、資材・エネルギー価格等、コスト上昇を踏まえ、適宜、商品価格の値上げも行ってまいります。生産面におきましては、物流2024年問題により増大している物流コストの削減のため、適地生産、即ち需要地に近い工場での生産を拡大してまいります。併せまして、合理化を目的とした設備改造、および労働人口減少に対応した省人化投資に取り組むことにより、生産性の向上を図ってまいります。このような各部門における取組状況については、各部門毎にROICを意識した目標を設定・管理することで、収益性の向上につなげてまいります。

③ マテリアリティ(重要課題)への取組強化
当社グループは、当社の強みを活かして貢献すべき課題として4つのマテリアリティ「地球温暖化の防止」、 「循環型社会の形成」、「人権の尊重」、「人的資本経営の推進」を定めております。このうち、特に「地球温暖化の防止」につきましては、2050年度のカーボンニュートラルを目指して生産工場における燃料転換の検討や太陽光発電の導入、全社的な省エネ活動等を進めてまいります。また、「人的資本経営の推進」につきましては、人材育成、ワークライフバランス推進、ダイバーシティ推進等に取り組んでまいります。特に人材育成につきましては、従業員が自身の成長を実感できる制度や環境づくりを推進することなどにより、中長期的な労働生産性の向上につなげてまいります。

④ 資本政策
経営の更なる効率化を進めるべく、資本コストや株価を意識した経営に取り組んでまいります。まず、ROEを向上させるべく、ROICの向上に加え、資本構成の適正化を進めてまいります。資本構成の適正化につきましては、稼ぎ出したキャッシュを設備投資と株主還元に優先的に振り向けることで、自己資本が必要以上に積み上がることがないようにコントロールしてまいります。また、PBR(株価純資産倍率)につきましては、ROEの向上に加え、資本コストの低減により、1倍を安定的に超える水準を目指してまいります。この資本コストにつきましては、株主・投資家の皆様とのコミュニケーションの充実化、マテリアリティへの取組強化等、経営の安定性、透明性を高めることで低減させてまいります。

代表取締役社長 吉岡 成充