トップメッセージ

"Challenge Global to 2030"を掲げ、
あらゆる面でGlobalに通用する企業を目指します。

当社グループでは、2030年度をターゲットとする長期ビジョン"Challenge Global to 2030"を掲げ、「開発から調達、生産、営業、物流までのバリューチェーン、資本効率、リスク管理など、あらゆる面でGlobalに通用する」企業を目指しております。 この長期ビジョンの実現に向けて、「第一次中期経営計画(2024年度~2026年度)」では、最終年度の数値目標を連結売上高1,610億円、営業利益165億円、ROIC8%、ROE9%と定め、これらを達成すべく、次の4つの重要戦略テーマにスピード感を持って取り組んでおります。

① 国内外の市場開拓推進
国内市場におきましては、住宅市場の縮小に対応するため、非住宅市場の開拓に注力しております。具体的には、商業施設分野で競合する他社の外壁材(ALC等)からの切替促進に加え、当社の独自工法「ニチハMARCシステム」を活かした、中層ビルやマンションのリフォーム需要の獲得を進めております。さらに、鉄骨造向けに、省施工や工期短縮を実現する新工法もリリースしております。なお、非住宅市場向けの組織体制強化として、専門部署の増強と全国主要拠点への専任担当者の配置を行っております。 一方、海外市場におきましては、米国事業の非住宅事業を一層強化すると共に、カナダに現地法人を設立する等、新たな市場の開拓による事業拡大を目指しております。

② 収益性の向上
販売面におきましては、サイディング本体に加え、施工用部材の販売強化に取り組むことで、一件当たりの売上と利益の拡大を図っております。また、原材料費や人件費といったコストアップに対しては、製品価格や配送費の改定を適宜実施しております。今後も各種コストアップに対しては市場動向を踏まえつつ、製品価格やコストの見直しを行い、安定した収益性を維持してまいります。 一方、生産面におきましては、増加する物流コストの削減のため、適地生産を拡大するとともに、設備改造や省人化投資を通じて、生産性向上を進めております。

③ マテリアリティ(重要課題)への取組強化
当社グループでは、「地球温暖化の防止」、「循環型社会の形成」、「人権の尊重」、「人的資本経営の推進」の四つをマテリアリティとして設定しております。これらの内、地球温暖化防止への取組につきましては、2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、生産工場での燃料転換の検討や製品へのCO2の固定化、全社的な省エネ活動等を進めております。また、窯業系外装材の主力製品については、製品が環境に与える影響を数値で示すEPD(環境製品宣言)の認証を順次取得しております。 人的資本経営につきましては、持続的成長を支える人材の育成および活用に注力しております。具体的には、次世代を担う社員や経験豊富なシニア層の社員がより活躍できるよう処遇改善等を実施しております。加えて、グローバル人材育成に向けた研修制度の拡充や健康経営の推進等にも取り組んでおります。

④ 資本政策
第一次中期経営計画におきまして、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を織り込み、その中でPBRを1倍超に改善するための資本政策を示しております。 PBRの改善に当たっては、ROEとPERの改善に取り組んでおります。 このうちROEの改善につきましては、戦略投資と株主還元のバランスを勘案した適切なキャッシュフローアロケーションを通じた財務レバレッジの最適化や、ROICの向上に取り組んでおります。 一方、PERの改善に向けては、株主・投資家の皆様とのコミュニケーションの充実化、マテリアリティへの取組、コンプライアンス・リスク管理の強化を進めております。

以上4つの重要戦略テーマを着実に推進することで一層の企業価値向上につなげてまいります。

代表取締役社長 吉岡 成充