ニュースリリース

2000.05.20

ニュースリリース

第63期決算のご報告

【営業の概況】

当期のわが国経済は、政府の経済対策の効果もあり、一部に緩やかながら回復の兆しが見られましたものの、雇用・所得不安などから個人消費が伸び悩んだうえ、民間設備投資も低調が続くなど、全体としては厳しい情勢のうちに推移いたしました。
当社製品の主要な市場である住宅産業につきましては、住宅金融公庫融資金利の過去最低水準への抑制や、住宅ローン控除制度の拡充などの景気刺激策により、新設住宅着工戸数が増加に転じ、一般産業界の厳しい状況から見れば、やや恵まれた環境下にありました。
当社主力製品の窯業系外装材市場も、激しい企業間競争はありましたが、主たる対象となる持ち家の着工戸数が比較的順調な伸びを示し、高級タイプを主体に需要の回復が見られるなど、まずは堅調のうちに推移いたしました。
こうした状況に対処し、当社は窯業系外装材市場での基盤をより強固にするため、市場ニーズに対応した新製品の投入と新規市場の積極的な開拓に努める一方、徹底したコストダウンと設備投資および棚卸資産の圧縮を図るなど、強靱でフレキシブルな企業体質の構築に向け全社一丸となって取り組みました。
この結果、売上高は647億89百万円(前期比7.9%増)を計上することができました。
また、利益につきましても、窯業系外装材は依然として供給力過剰から販売価格の低下が続きましたが、高級品を主体とする売上の増大、コストの低減などにより経常利益は30億33百万円(前期比55.4%増)、当期利益は16億41百万円(前期比32.1%増)となり3期ぶりに増収増益を達成いたしました。
次に部門別の概況を申しあげます。
主力の窯業系外装材は、当社の得意とする高級外壁材の新タイプの製品が評価されたこともあり、業界全体の伸び率を上回る販売量を確保できたうえ、無石綿の屋根材も売上を伸ばしたことなどにより、売上高は前期比11.4%増の521億55百万円をあげることができました。
しかしながら、住宅機材につきましては、依然として売上高が低下傾向にあり、内装ドア、造作材、押入れユニットなど当社の独自性を活かした製品に絞り込み、この部門の強化に努めましたが、売上高は前期比3.6%減の77億30百万円にとどまりました。
また、繊維板につきましても、フロアー養生板、たたみボードなどの製品にシフトし回復を目指しましたが、自動車産業向け製品の落ち込みが大きく、売上高は前期比5.5%減の47億57百万円となりました。その他では、堆肥ほかで1億45百万円(前期比21.7%減)の売上を計上いたしました。
一方、当期には窯業系外装材部門で品質システムに関する国際規格「ISO9001」を認証取得したほか、いわき工場におきましては、生産工程で発生する窯業系外装材の端材をすべて有効活用するためのリサイクル設備を導入し、品質および環境面の向上にも努めました。
なお、当期は増益決算となったうえ、設備投資を上記リサイクル設備以外は更新、合理化投資のみに抑制したことにより、設備投資額が18億20百万円となったことなどから、フリー・キャッシュフローは57億14百万円をあげることができました。

以 上