ニチハ株式会社(以下「ニチハ」)、三井物産株式会社(以下「物産」)および三井木材工業株式会社(以下「三木」)は、平成12年11月24日付で包括業務提携を行うことで合意し、その後三社間で協議を重ねた結果、ニチハと三木の窯業建材および繊維板事業を原則として株式交換により経営統合することで合意に達し、基本合意書の締結について、本日(平成13年2月28日)各社取締役会において決議をいたしました。
|
1. |
本件統合の趣旨と背景
住宅産業においては、新設住宅着工数の減少に伴う市場成熟化、品質確保促進法の施行、循環型社会の構築等々住宅ビッグバンの本格化を背景に競争が激化しています。住宅建材である窯業外壁材業界においても、過剰設備を抱えた競争激化の中で全体としての収益性が著しく悪化しております。住宅の質に対する改善向上への潜在的需要は大きいものの、競争環境を鑑みると、業界内での較差が拡大し二極化が進むものと考えられ、何らかの再編が避けられない状況となっています。 窯業外壁材業界トップであるニチハと業界5位の三木は、三木の事業再構築として両社の窯業建材・繊維板部門を統合することとし、本統合実現により、地理的補完関係を活かした最適生産・販売の実現、顧客層の拡大などをスピーディかつ効率的に達成して経営基盤を一層強固なものとし、今後の更なる競争激化に対応するべく、業界での地位を盤石なものとすることを目指してまいります。三木は、窯業建材部門の収益性低迷で株主、お客様にご心配をおかけして参りましたが、ニチハとの統合により、業界トップのニチハグループの一員として、再スタートを切ることとなります。 また、窯業建材・繊維板製造の強化は、製品・原材料を取り扱う商社である物産にとっての事業機会の拡大というメリットを生みます。上記統合を実現するためには三木の財務体質の改善が必須となり、物産は三木への財務支援を行うこととなりますが、連結経営の懸案となっていた窯業製造部門からの撤退と同時に、本業である商社ビジネスにおいて窯業建材産業トップ企業との関係を強化することにより、優位性のある分野への経営資源の再配分による経営効率向上が期待されます。 なお、三木における三井ハウス事業等の窯業建材・繊維板以外の事業については、物産グループの傘下として強化・発展を図って参ります。
|
|
2. |
統合の手法とスケジュール
窯業建材・繊維板部門におけるニチハと三木との統合効果を最大限発揮すべく、株式交換によって三木をニチハの完全子会社とすることを最終形といたします。株式交換の前に、現在リストラクチャリング中の三木の財務体質を改善するため、物産より財務支援を行い、三木の純資産額は資本金相当額まで回復される予定です。経営統合時期につきましては、株式交換の実行には株主総会での承認および窯業建材・繊維板以外の部門の分離が必要となるため10月前後を予定しております。 三木は本件統合後より社名変更を行うこととなりますが、新商号は未定です。 株式交換に先立ち、生産・営業での統合効果を一刻も早く発揮すべく、ニチハと三木は業務・資本提携を締結して4月を目処に実際の協力関係を実現してまいります。また、三木の資本の充実を図るため、三木は第三者割当増資(11億円)を実行し、これにはニチハとともに両社の親密な取引先であるジャパン建材にも引受に参加していただく予定です。 本件統合のスケジュールは、財務アドバイザー、両社の証券代行会社・保管振替機構等と実務について相談した上で確定させ、5月を目処に最終の契約書を締結する予定です。なおストラクチャー・時期については、公正取引委員会の許認可・届出、会計・税務面からの検討を更に行い、場合によっては変更する可能性があります。
|
|
3. |
投資家へのご案内
筆頭株主である物産、第三者割当引受後のジャパン建材およびその他の株主の皆さまが所有する三木株式は、株式交換が承認されることによりニチハ株式に交換されます。その結果、株式交換により三木株主に新たに発行されたニチハ株式が新規上場され、市場における取引価格にて売買可能となります。 株式交換比率については、物産の支援後の純資産額を考慮しつつ、基本合意書締結日前日の両社の市場株価を基準として、第三者機関の意見を参考に、今後両社で協議して決定いたします。
|
|
4. |
各社の財務への影響
三木については、リストラクチャリングの詳細、住宅部門等の売却価額が未定であり、これらが確定し次第、財務への影響をご報告いたします。ニチハについても同様に損益への影響が確定し次第、開示規定に沿い、皆さまにご報告いたします。物産については、財務支援に関する損失が発生しますが、その金額は三木に発生するリストラクチャリング費用や住宅部門の売却益により変動いたしますので、現時点では確定しておりません。
|
|
5. |
建材・繊維板事業のお客様へのご案内
ニチハグループへの統合に際して、現場の混乱によりお客様にご迷惑がかからぬように、3社が全力を尽くす所存でございます。今後は、ニチハ・三木両社技術の良さを活かした新製品を開発し、上梓を予定している他、あらゆる面でサービス向上に努めますので、皆さまにおかれましては今まで以上のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
|
|
6. |
三井ハウス事業、その他のお客様へのご案内
三木は、高品質の木造注文住宅の三井ハウスブランドを展開しておりますが、住宅事業については、物産グループ傘下の新会社として新シリーズの導入を図り、より品質の高い商品とサービスを提供し、更なる発展を目指します。本件統合により、施工の遅延、アフターサービス低下が万が一にも発生しないよう物産グループ全体をあげてサポートして参ります。木質建材等の業務についても、それぞれ物産グループにて再出発いたします。お客様の皆さまの倍旧の御支援のほどをお願い申し上げます。
|
【参考1】統合の概要(予定) |
|
3月下旬
|
|
第三者割当増資(11百万株 引受先 ニチハ6百万株 ジャパン建材5百万株) 人員削減等の合理化 物産からの金融支援(三木の債務超過回避)
|
4月
|
ニチハとの業務提携
|
5月
|
最終契約書(ニチハとの株式交換・物産グループへの住宅事業等の分離等)締結
|
6月下旬
|
株主総会での承認
|
8月
|
住宅事業等の分離処理
|
10月
|
株式交換による統合
|
|
※ストラクチャーおよびスケジュールは確定しておらず、変更される可能性があります。
|
|
|
【参考2】各社の概要 |
平成12年9月30日現在
|
|
ニチハ(株)
|
三井物産(株)
|
三井木材工業(株)
|
主な事業内容
|
外装材事業 住宅機材およびその他事業
|
総合商社
|
住宅事業、建材・繊維板事業、その他の事業
|
設立年月日
|
昭和31年6月25日
|
昭和22年7月25日
|
昭和29年11月11日
|
本店所在地
|
名古屋市港区汐止町12番地
|
東京都千代田区大手町 1丁目2番1号
|
東京都中央区日本橋本町 3丁目8番3号
|
代表者
|
代表取締役社長
|
代表取締役社長 清水愼次郎
|
代表取締役社長 光永久之
|
資本金
|
7,926百万円
|
192,487百万円
|
3,682百万円
|
発行済株式総数
|
33,130,137株
|
1,583,674,837株
|
29,950,813株
|
株主資本
|
36,318百万円
|
774,490百万円
|
963百万円
|
総資産
|
77,253百万円
|
4,474,711百万円
|
49,983百万円
|
決算期
|
3月末
|
3月末
|
3月末
|
従業員数
|
1,210名
|
7,036名
|
1,387名
|
主要取引先
|
1.住商建材(株) 2.安宅建材(株)
|
-
|
1.三井物産(株)
|
大株主および 持株比率
|
1.大手町建物(株) 2.安宅建材(株) 3.住友商事(株)
|
1.(株)さくら銀行 2.中央三井信託銀行(株) 3.三井生命保険(相)
|
1.三井物産(株) 2.三井木材工業社員持株会 3.中央三井信託銀行(株)
|
主要取引銀行
|
住友銀行
|
-
|
さくら銀行
|
窯業建材製造シェア
|
26.0%(1位)
|
-
|
6.7%(5位)
|
|
|
|