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2025 -
審査員総評 ESTIMATION
NICHIHA SIDING AWARD 2025 飯島 直樹 総評
飯島 直樹インテリアデザイナー。
1985年 飯島直樹デザイン室を設立
2004-2014年 一般社団法人日本商環境デザイン協会 理事長
2011-2016年 工学院大学建築学部教授
JCDデザイン賞、FRAME AWARDSなどを多数受賞
5Sニューヨーク、blupondソウル、ほぼ日オフィス、PMOオフィスビルプロジェクト、工学院大学ラーニングコモンズ、STONESなどインテリアから環境全般のデザインまで幅広く活躍。 -
グランプリ GRAND PRIX
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住宅部門
栃木県高窓の家
[イン-デ-コード design office 様]
- 審査員評
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ダイナミックな屋根が特徴的であるが、嫌味がない。低く深い軒下から伸び上がる天井に向けて、内部に風と光が通り抜ける装置のような建築であり、今様縄文式住居を思わせる。外壁に用いられた横張のフラットウォールが厳密な配慮の元に使われており、単純明快な設計を支える。サイディング素材の可能性を十二分に伝える秀作である。
- 使用商品
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モエンエクセラード16
フラットウォール
無塗装品（シーラー品）
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非住宅部門
撮影：SATOH PHOTO 佐藤和成鳥取県道の駅 ほうじょう
[ＮＳＰ設計・アーク設計工房共同体 様]
- 審査員評
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道の駅は現代の「楽市楽座」として全国展開する休息施設、地域活性化施設である。そうした賑わい性を、この「ほうじょう」では建築構造（地域の杉材とLVLによるトラス架構）と中央駅のようなシンボリックな外観で指し示す。モベルウッド＋モエン大壁工法がそのシンボリズムに生かされた。トラス構造が生かされる夜の景観も素晴らしい。
- 使用商品
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モエンエクセラード16
Fu-ge60
モベルウッドGS
モベルブラウンE
※リニューアル品
モベルウッドGS
モベルブラウンⅡをご用意しております。モエン大壁工法
ミックスサンド仕上げ
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プラチナ賞 PLATINUM
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住宅部門
埼玉県七里の家
[粟屋大紀一級建築士事務所 様]
- 審査員評
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1820mmのイルミオを定尺で外装に使う端正な外観の家である。定尺寸法であることにより、その端正さと厳密さは内部にまで一貫する。内部の構造をあらわにする天井は厳密な設計の結果だが、徹底する果てのなんというか生成変化するような、不思議な住宅なのである。定尺サイズにこだわる設計として記録しておきたい。
- 使用商品
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COOL
イルミオ
イルミオブラック
（マイクロガードなし）軒天12
スチップル調
ナチュラルブラックⅡ
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非住宅部門
撮影：株式会社エスエス 上田 新一郎東京都ブランシエスタ目黒中央町
[株式会社長谷工コーポレーション 様]
- 審査員評
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中層賃貸マンションでRCと木造（上層４層）のハイブリッド構造であり、耐火性能を求められるサイディングの採用としても興味深い案件である。バルコニーデザイン手法の工夫として、ヴィンテージウッドを使ったアトランダムグリッドデザインが動的な外観を生んでおり、街並みのサーフェイスのボトムアップに貢献している。
- 使用商品
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モエンエクセラード16
NOHASシリーズ
ヴィンテージウッド
スキムドMGブラウン
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ゴールド賞 GOLD
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住宅部門
静岡県浜松の家
[株式会社空間建築-傳 様]
- 審査員評
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モエン大壁工法が生かされるデザインの好事例である。要素を削り取り最小限のエレメントで構成するデザイン手法は、ともすると無味乾燥になる。しかしこの住宅では敷地の傾斜を生かすことで空間に上下の緊迫感を呼び込む。フラットな面の張り感が強まり、その美意識が内部まで通貫した点を評価したい。
- 使用商品
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モエン大壁工法
エンシェントブリック仕上げ
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非住宅部門
東京都トレディパーチェ王子
[株式会社後藤横浜事務所 様]
- 審査員評
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鉄骨造の中層ビルへのサイディング採用は、新たな提案が待たれる。９階建てのビルともなると、サイディングのマテリアルの印象が変化するからである。この建物でも大きな壁面のインパクト確保に苦労したという。シンプルなポツ窓の収まりや下層階の柱の出隅などに留意し、外観の存在感を確保した点を評価したい。
- 使用商品
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モエンエクセラード16
オペリアシリーズ
ウッドシェイクⅡ
シュピネMGナチュラルE
※リニューアル品
ウッドシェイクⅡ
シュピネMGナチュラルをご用意しております。モエンエクセラード16
N-fitシリーズ
クレミナウォール調
リベルMGクリアホワイトⅡ
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入賞 PRIZE
岩手県
野田村立 野田小学校
[株式会社新田組 様]
審査員評
小学校校舎で窓サッシが黒というのは珍しい。しかもそれがバルコニーでセットバックされると陰影が深くなる。これを建築の柱、梁の純白（に見える）で被覆する手法により、極めて躍動的な小学校建築となっている。フラットウォールの性格が大きく生かされた事例である。ジェフリー・バワのスリランカのホテルを思わせる。
使用商品
モエンエクセラード16
グランスペック60
フラットウォール
プリミエMGホワイトモエンエクセラード16
NOHASシリーズヴィンテージウッド
スキムドMGブラウン軒天12
スチップル調
ナチュラルベージュ
岩手県
道の駅のだ「ぱあぷる」
[PERSIMMON HILLS architects＋杉山建築設計事務所 様]
審査員評
例えは悪いが「道の駅」というのは誘蛾灯のような存在ではないか。地域の物と情報が吸い寄せられるという意味で。するとこの建築は誘蛾灯のありようを体いっぱいで発散しているようであり、建築の形としても、夜の景観としても誘蛾灯建築なのである。味わい深い田舎暮らしの気分をと、キャスティングウッド他が使われた。
使用商品
モエンエクセラード16
グランスペック60
コートリーウッド
トランクMGウォルナットモエンエクセラード16
グランスペック60
コートリーウッド
トランクMGバーチモエンエクセラード16
NOHASシリーズ
キャスティングウッド
カーボンブラックMGモエンサイディングW
シャトーウォール調
スノーMGホワイト
※モエンサイディングWは地域限定商品です。
栃木県
ペットコテージWansemble
[鈴木淳史建築設計事務所 様]
審査員評
那須塩原の「牧歌的な」風景に計画のペットコテージ、つまりペットと泊まれる宿舎である。大屋根軒下の余白のような壁にはフラットウォールが選ばれているが、その壁に余白のように希薄な風合いをもたらすために、目地割や出隅、屋根と巾木との接合部には細心の注意が払われている。総じて牧歌的であることがとてもいい。
使用商品
モエンエクセラード16
グランスペック60
フラットウォール
アグレアMGピュアホワイト
長野県
Luar
[株式会社建築研究所フォーラム 様]
審査員評
モエン大壁工法の応募案の中でも思い切ったデザインで、文字通り大壁の建物である。店舗併用住宅ということなので、写真はないのだがインテリアも期待したくなる。色がいいと思った。白ではなくグレージュでもなく、淡い色。加えて足元の大振りな砕石も機能以上に効果的で、全体のバランスが微妙にいい建築だ。
使用商品
モエン大壁工法
エンシェントブリック仕上げ
センターサイディング
プレミアムシリーズ
M型 スマートフラット
プレミアム
ブライトグレー
埼玉県
AQフォレスト 大宮桜木町
[株式会社AQ Group 様]
審査員評
4階建木造の賃貸マンションゆえ、大壁面の処理はマーケティング的にも重要な要素だろう。この案件の場合、自社開発で施工までを手がける際、目地の無いFu-geが大きな役割を得ている。自然木を組み入れたBOX状フレームの連続窓と、ソリッドでフラットな白い箱の組み合わせによって、繊細な表情が得られている。
使用商品
モエンエクセラード16
Fu-ge60 プレミアム
エコルセ プレミアム
リベルMGクリアホワイト30モエンエクセラード16
Fu-ge60 プレミアム
プリレートGS プレミアム
クアラMGネロ30
静岡県
株式会社アクト建設 住吉新社屋
[株式会社アクト建設 様]
審査員評
建物をボリュームとして閉じない。近年のオフィスや共用空間に求められる要素だ。周辺の生活環境や歴史、文化と繋がろうとする姿勢である。この社屋もそうした事例の一つと言えるだろう。深い軒、同じく深いバルコニーとフルハイトのガラス壁、黒と白のメモリアがこれをバックアップする明快なデザインである。
使用商品
COOL
メモリア
ブラック
（マイクロガードなし）COOL
メモリア
ホワイト
愛知県
藤吉建築設計事務所
[有限会社藤吉建築設計事務所 様]
審査員評
表現性の強い彫刻的なフォルム、しかもそれがブリーズソレイユ※であるという。設計事務所の自社物件がなせる技とはいえ驚いた。その日除けルーバーは庇を支える構造体であり、鋭角に尖ったルーバーの施工を想像しさらに驚く。そしてZEBも取得しつつ、インテリアデザインに至るまでの「ソリッド」な姿勢にもう一度驚いた。
※ブリーズソレイユ：フランス語で「太陽を砕くもの」という意味の建築用語で、窓や壁の前面に設けられる日射を調整するための装置（特にルーバー）のこと。太陽の光や熱を制御して、室内の環境を快適に保つ役割があります。使用商品
モエン大壁工法
ミーティア仕上げ
大阪府
HOUSE T
[KNOOOT株式会社 様]
審査員評
このアワード応募作の中で、グレーのモエン大壁工法は珍しい。施主の縁者に瓦職人がいたことから屋根の一部に瓦を使い、その瓦に引き寄せられるようにグレーの左官外壁が選ばれたのかも知れない。切妻の左右対象木構造で、内部は真壁で柱梁を露出し、それぞれの素材が呼吸をしているような家である。
使用商品
モエン大壁工法
小粒ロックS仕上げ
撮影：武知直哉
兵庫県
Zig Zag House and Hut
[H A D A 様]
審査員評
座礁した船のような階段が内部の吹き抜けにインスタレーションされ、その内部は２階が欄間開口で明るく、なんと窓の外にビニール状のカーテンが下がる。一方切妻の屋根は淡路瓦で、内外共に普通の家では無い。その外壁に無性格を標榜するサイディング＝フラット３尺が所を得て納まる。それら全てが周到であり評価した。
使用商品
モエンサイディング-M
フラット3尺
無塗装品（シーラー品）
※モエンサイディング-Mは地域限定商品です。 -
審査員特別賞 SPECIAL
兵庫県
フェリスコート宝塚Ⅱ
[株式会社ケーティアイ建設工業 様]
審査員評
集合住宅へのサイディングの浸透の優れた事例として贈賞したい。平板な賃貸アパート建築から脱却し、リズミカルなファサードとテラスハウス的なポーチなど、街並みに空気を送るような計画であり、評価した。
使用商品
モエンサイディング-M
ネビアストーン調
リスタMGミルク
※モエンサイディング-Mは地域限定商品です。モエンサイディング-M
リシェルストーン
オルドMGブラウン
※モエンサイディング-Mは地域限定商品です。モエンサイディング-M
リオビスタ
リフレMGアッシュ
※モエンサイディング-Mは地域限定商品です。
撮影：ikumasatoshi
佐賀県
YOCOZO HOTEL＆RESORT
[atelier soil 様]
審査員評
佐賀県唐津市の海辺に立地する小ぶりなホテルである。そのクオリティのほとんどが「海辺」にあるような、大変慎ましくシンプルな出で立ちのホテル、というところが好ましい。そのシンプルさを担うのが外壁のモエン大壁工法で、この製品の特質が十二分に生かされた秀作である。
使用商品
モエン大壁工法
ミーティア仕上げ
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Fu-ge賞 Fu-ge
群馬県
光を巡る家
[株式会社ジョイホーム 様]
審査員評
Fu-geを使った目地の無い壁は、マッスの表現に向く。この住宅のように、中庭に採光と開口を集約する場合は彫刻的な閉じた外観となるが、重すぎず、軽すぎずという塩梅が難しい。この応募作は白と黒の組み合わせが功を奏した優れた事例である。
使用商品
モエンエクセラード16
Fu-ge60
エコルセGS
リベルMGクリアホワイトモエンエクセラード16
Fu-ge
ミルシュタイン
ミルトMGブラック軒天12
木目調
ティンバーブラウン
撮影：小羽写真事務所
大阪府
S-MOVE姫島パークサイド
[株式会社マリモ 様]
審査員評
S造４階建ての集合住宅であり、バルコニーがファサードとなるしか無い条件である。バルコニーの形を横ストライプと断定する手法も多くあるので、特別なことは何も無い。そんな条件下で異なる色の左右ブロックのいきなりの接合である。ミニマルアートの彫刻のようでもあり、潔い風合いを生み出した。
使用商品
モエンエクセラード16
Fu-ge60
シントアGS
シントアMGネイビーモエンエクセラード16
Fu-ge60
シントアGS
シントアMGホワイトモエンエクセラード16
Fu-ge60モベルウッドGS
モベルブラウンE
※リニューアル品
モベルウッドGS
モベルブラウンⅡをご用意しております。軒天12
木目調
ティンバーベージュ
福井県
S様邸
[松栄建設株式会社 様]
審査員評
丹念なディテールの追求が豊かな全体像を生成する、建築アプローチのお手本のような住宅建築である。フラットな表面性を生かした壁の起伏、同色の雨樋、えぐられるような木質の軒、そのようなディテール集積がFu-geの製品特性を生かす好例といえよう。
使用商品
モエンエクセラード16
Fu-ge60 プレミアム
プラトストーン プレミアム
プラトMGグレー30モエンエクセラード16
Fu-ge60 プレミアム
ルボンGS プレミアム
レセピMGチャコール30軒天5
木目調
ライト -
メタル賞 CENTER SIDING
山形県
大工が考える、大工の家
[株式会社デザインホーム 様]
審査員評
片流れの屋根形状、スリット状に穿たれたエントランス、並置されたカーポート、それらが即物的に並置されたような家である。そこに独特の空気感を生み出しているのがメタルサイディングである。軽みという建築の趣の事例として評価した。
使用商品
センターサイディング
プレミアムシリーズ
シン・ネオスパンFU
ライトメタリックシルバーⅡ
※リニューアル品
シン・ネオスパンFU
ライトメタリックシルバーをご用意しております。センターサイディング
プレミアムシリーズ
M型 スマートフラット
プレミアム
レイキ―ホワイト
神奈川県
西町の家
[stoff 様]
審査員評
汚れにくい、掃除が簡単。そんな施主の要望から選んだ外壁がメタルサイディングであったらしい。このアワード応募のメタルサイディングで多いのがガンメタや黒なのだが、この住宅はグリーンだ。奥様の要望だったらしい。住宅の施主の要望は時に奇妙な世界観を生むのだが、この住宅のポップな味わいも捨てがたい。
使用商品
センターサイディング
プレミアムシリーズ
シン・ネオスパンFU
ミストグリーンⅡ
※リニューアル品
シン・ネオスパンFU
ミストグリーンをご用意しております。 -
リフォーム賞 REFORM
宮城県
N様邸
[雅クリエイト株式会社 様]
審査員評
外壁の模様替えで大きな建築価値を呼び起こした事例である。基壇と上部を分割するという単純なことで、例えば２階のバルコニーの様子が別の次元に転化したかのようであり、リフォームとは思えない結果を生み出している。
使用商品
センターサイディング
iシリーズplus
コルモロック plus
コルモホワイトipセンターサイディング
モノカラーシリーズ
FB型 ネオレリーフ
プルクラブラック
群馬県
RY様邸
[株式会社アークプランニング 様]
審査員評
リフォームの概念を突き破るリフォームである。以前の面影が一掃される「新築」のカバーリングであり、深みを帯びた建築への変容となっている。ビルから住宅へのリフォームとしても評価した。
使用商品
モエンエクセラード16
N-fitシリーズプレミアム
パンシェス プレミアム
パンシェMGライトグレー30COOL
イルミオ
イルミオブラック
（マイクロガードなし）
本年の審査は、私が一人で任にあたることになった。難波和彦さんが転倒事故で入院されたからで、難波さんのご回復を心より祈念いたします。
本年の応募は昨年にも増して1250作となった。変わらずに住宅部門が多い中、非住宅部門の中高層建築に意欲的な作品が増えていることが収穫だった。例えばRC＋木造混構造の賃貸マンション「ブランシエスタ目黒中央町」は、７階建RCの上階４層に環境に配慮した木構造をハイブリッドさせ、そうした先端技術の一環としてサイディングが採用され、なおかつデザイン面でも優れた達成がなされていた。道の駅「ほうじょう」「ぱあぷる」は夜間の照明によってランドマークとなるアイコニックデザインが特徴で、そうした公共的建築へのサイディング採用も収穫といえよう。住宅部門の受賞作はいずれもサイディングのそれぞれの特徴を生かしたもので（イルミオを定尺使用した端正な住宅「七里の家」、傾斜地に浮遊するモエン大壁工法の住宅「浜松の家」）、中でも「高窓の家」は現代版縄文住居のような趣の家で、フラットウォールのフラットである特質を生かしきった仕事だった。シンプルで押し付けがましく無い近年のデザイン傾向が表れていた。
審査をしている時に目に留まるのが表現性の強い作品であり、これも捨て難い。
今年の中では「藤吉建築設計事務所」である。ご本人の事務所の設計で、庇を支える構造体のブリーズソレイユはアワードの歴史に留めたい。